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ブランド化戦略を推進 寺前秀一さん(石川県加賀市・市長)(2)

―着地型観光には、どのようなお考えをお持ちですか。

着地型は「迎えに行く」概念が必要

着地型観光の概念が曖昧であり、このままでは着地型観光といわれるものの発展には障害となるのではないでしょうか。旅客が自らの手配で着地である観光地に来るという意味であれば、旅行会社の手配を利用しない(あるいはさせない)というだけの意味であり、ITを活用して容易になったと認識されるものの、古くからある概念です。旅行あっせん業法時代に駅前での客引きが問題になったのは、着地型が一般的であったからです。

通説によれば観光行動とは、人類が他の生物と区別されるところの、日常生活圏を離れて非日常体験を行い、再び元の日常生活圏に戻るという行動のことであり、観光行動の最終的着地は日常生活圏です。仮に非日常生活圏である観光地にいったん着地するという意味であれば、すべての観光は着地型です。

物流で用いられる手配権の概念を仮借するのであれば、迎えに行く(お届けする)か、来てもらう(取りに来てもらう)であり、これまでの観光である「観光客に来てもらう」ことから「観光客を迎えに行く」ということで認識するのは、新しい概念ですが、巷間語られている着地型観光は「迎えに行く」ということでは考えられていません。

観光地が観光行動において主体的な役割を担うためには、観光客を迎えに行き、観光地にお連れするという行動をとることが必要です。カジノでは、高額利用者には航空券を無料でお届けし、宿泊費用も無料にして誘客を図っていますが、これがまさに着地型観光とでもいうべきものだと思っています。

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