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復興にビジネスモデル必要 佐藤義正さん(国際観光旅館連盟会長)(2)

―平泉が世界遺産に登録されました。

平泉が世界遺産登録 東北観光の新時代に

佐藤 一番の朗報ですね。登録後に平泉の観光客は大幅に増えています。この夏は昨年比で150%です。課題は、平泉にはまとまった宿泊拠点がなく、そのため、旅行者の滞在時間が2時間ほどと短いことです。滞在につなげるような方策を考える必要があります。

ただ、東北観光としては期待は大きい。平泉の世界文化遺産と白神山地の世界自然遺産を組み合わせて、東北での滞在日数を増やしたい。白神山地を中心にすれば青森、秋田、岩手。平泉が中心なら岩手、山形、宮城、福島でコースができる。この2つを組み合わせ、東北で3泊4日程度の旅行ができれば、新しい観光のカタチが作れると思います。

海外への発信力を強化 将来性高い「ユニレズ」

―需要開拓で国観連が力を入れてきたのがインバウンドの拡大です。

佐藤 旅館を海外に知ってもらうための発信力を強める必要があります。これは国観連としてはもちろん、国に大きな期待を寄せている部分です。海外での日本観光のプロモーションにはしっかり予算を投入してほしい。また、日本に来てからの交通手段の充実にも国として取り組んでいただきたい。レールパスやバスパス、レンタカーなどを、海外からの個人旅行者に利用しすくし、自由に移動できる環境整備に期待しています。

国観連の取り組みでは一昨年から、海外に向けた会員旅館の客室販売に取り組んでいます。宿泊予約に関するサービスを世界展開するペガサスソリューションズ(本社・米国ダラス)の予約システム「ユニレズ」と契約し、国観連会員の客室を、海外の1千社ともいわれるオンライン・トラベル・エージェント(OTA)に販売するものです。登録している会員では実績も上がっていますし、将来性も高い。まだ、150軒程度の登録にとどまっているのが残念です。(以下、トラベルニュースat9月10日号に続きます)

(トラベルニュースat 11年8月25日号)

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