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アマン東京の誕生物語 森づくりや国際交流

2014年12月、東京・大手町の複合ビル、大手町タワー(地上38階建て)の最高層6フロアにオープンしたアマン東京。今年2月、東京・ビッグサイトで開催された国際ホテル・レストラン・ショーのホスピタリティデザインセミナーで、大手町タワー開発プロジェクトのまとめ役を果たした大成建設ビジネス・ソリューション部の野沢弘樹部長が、アマン東京誕生までの物語を紹介した。

野沢部長は大手町タワーに隣接する3600平方メートルの「大手町の森」の話から始めた。「丸の内を貫く仲通りを分断しないで、いかに延伸させるか。それが大手町の森の整備でした」。

大手町タワーの事業コンセプトである「都市を再生しながら自然環境を再生する」を基に計画された3つの地域貢献策の1つが大手町の森構想だった。

土地勘がないと分かりづらいが、仲通りが行幸通りを超えて、永代通りにぶつかった先に、大手町の森はある。大手町に森をつくるため、千葉県内に苗木を仮植えし3年間育てた上で、大手町に移植した。ほぼ毎日、通勤で通りかかる大手町の森は、まだ森と呼ぶには早い木々の群生だが、その話を聞いてからは成長が楽しみになった。

大手町の森

都市の真ん中に森をつくる
「大手町の森」

地域貢献の2つ目は丸ノ内線や東西線など、大手町駅の連絡通路の強化。「明るい地下空間づくり」としてプラザを整備した。

そして3つ目が国際交流拠点としての大手町タワー。アマンの誘致は、ホテル開発としては限定された条件下での選択だった。

「事業ではホテルとして使用できる割り当て面積が決められていました。33階から38階の延べ床面積2万1600平方メートルです。ホテル単独で自立するには狭いだけでなく、07年前後にできたコンラッドやペニンシュラ、リッツと差別化でき、しかも将来も競争力のあるホテルというのが誘致の対象でした」

選んだのはラグジュアリーで、マニュアル文化ではないホテルとしてのアマンリゾートだった。アマン東京は客室数84。

野沢さんは「ターゲッティングをしていない日本のホテル事情に対し、供給側がセグメンテーションをしているホテル。気軽には入りづらくしているホテル。ある意味、好き嫌いのあるホテル」と一面を紹介した。

アマン東京では33階のフロントラウンジを「ガーデンレセプション」と呼ぶ。春の庭をイメージしているそうだ。ホテルのレセプションを探検して、大手町の森を見下ろしてみたくなる。

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