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KNT個人「e宿」-高単価、平日需要創造を実現(1) クラツー会員410万人が動く

近畿日本ツーリスト個人旅行(岡本邦夫社長)が今年7月からスタートさせた管理画面型モデルの宿泊予約サイト「e宿(いーやど)」。稼働後初の本格的な観光シーズンを経て、e宿の特徴が浮かび上がってきた。今夏のオンライン商戦を「期待以上」と総括した同社e宿泊事業部の遠西一義営業統括課長とともに2カ月間の実績を振り返りながら、年末年始に向けた今後の戦略を紹介する。

稼働後2カ月の実績は「想定以上」

e宿は、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)として後発だったことからサイトの立ち上げに当たり、KNT―CTホールディングスのグループとしてのスケールメリットを最大化することに力を入れた。その結果は2カ月の実績に顕著に表れた。

まず遠西さんが「想定以上」としたのが高単価だったこと。

「予約申し込み件数はほぼ想定通りでしたが、先行OTAの実績などを分析し1件あたり単価を2万円少しと見込んでいました。それが3万円以上でした」

また、宿泊日が各曜日に分散(表参照)したのも特徴だった。なかでも、温泉・観光地の宿泊施設にとって稼働率が下がる月曜日が17.7%、日曜日が17.0%と高い。夏休み期だったことを考慮しても、遠西さんが「平日にこれほど利用いただけるとは」と驚く結果だ。

高単価と平日需要。多くのOTAが週末需要に偏重し、価格によって訴求力を高めている中で、e宿は特異な傾向を示したと言える。

これは、グループの総合力による効果だと遠西さんはみている。

e宿

e宿のウェブページ

想定以上に高単価だったのは、ロイヤリティの高いクラブツーリズム(CT)の会員410万人に対して、会員向け情報誌「旅の友」での掲載やCTホームページでの宿泊連携などが大きい。CT会員には電話予約も可能とした。平日需要が多かったのは、時間的に余裕がある50―70代のシニア層が6割を占めるCT会員がe宿を利用したことの証しだとみられる。

もともと旅行に興味があり経済的にも時間的にも自由度が高いCT会員をピンポイントでターゲットにできることはe宿の大きな売りだったが、ファミリーが大きなウエイトを占める夏休み期においてもサイトの特徴が如実に表れた格好だ。

遠西さんは「シニア層のネット宿泊予約への取り込み、平日の需要喚起にある程度成功したと思います。宿泊施設によっては月間600万円以上の実績があるところもあり、出足としては喜んでいただけているのではないでしょうか」。

KNT個人「e宿」-高単価、平日需要創造を実現(2) 全旅連シルバースターと協働に続く

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