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瀬戸内海縦断航路に大型新造船―名門大洋 池田・大阪府大特認教授寄稿(1)

関西と北九州を結ぶ瀬戸内海縦断航路に、名門大洋フェリーの「フェリーおおさかⅡ」と「フェリーきたきゅうしゅうⅡ」の姉妹船が9月および11月に就航しました。名門大洋フェリーは大阪南港と新門司港を結ぶ航路において、各港から毎晩出港して、翌朝には目的地に到着するデイリーサービスを行っており、航路の長さは約458キロメートル、航海時間は12時間余りです。

「フェリーおおさかⅡ」「フェリーきたきゅうしゅうⅡ」が登場

両船は、船の大きさを表す総トン数が1万5千トン級の大型フェリーで、代替された前船の「フェリーおおさか」は9347トンでしたので、50%あまりも大きくなりました。旅客定員は713名、乗用車搭載数は100台と前船と変わりませんが、トラックの搭載数は100台から146台と増加しています。

フェリーおおさかⅡ

9月に就航した
「フェリーおおさかⅡ」

名門大洋フェリーの山本営業統括部長は、11月21日に開催された日本クルーズ&フェリー学会での講演で「この航路は陸上の新幹線と車、そして航空機との熾烈な競争環境下にありますが、いたずらに価格競争に陥らないことが大事で、他の交通モードに対して船のもつ利点を前面に出してお客様に選ばれる交通機関になることを考えて計画しました」と熱い口調で述べました。

最近の長距離フェリー業界は、まさに強烈な嵐の中にありました。高速道路無料化を目標とした政策による需要減少と、油価格の高騰による燃料コストの増加によって、減便や航路閉鎖にまで追い込まれたフェリー会社もありました。

山本氏は「その逆風が収まりつつあります。まず東日本大震災を機会に高速道路の無料化政策が見直されました」と指摘。地球温暖化の1つの要因とされるCO2排出削減のためのモーダルシフトの重要性が再認識され、フェリー輸送がその担い手として見直されてきたのです。トラックが陸上を走るのに比べると、船はCO2の排出量は約5分の1になると言われています。

「新船では、大型化してかつ速力も少し速くなったのですが、エンジン出力は前船とほぼ同じです」と山本氏は続けました。すなわち、トラック1台当たりのCO2排出量は、30%あまりも低減されたことになります。

さらにトラックドライバーの過労による事故多発も社会問題化し、ドライバー不足も深刻になりつつあります。トラックをフェリーに乗せれば、無人航走(車だけ船で輸送)をすればドライバー不足が緩和されますし、有人航走(ドライバーも乗船)すると船上でゆっくりと休憩ができます。新船ではトラックドライバーに快適な休憩をとってもらえるように、ドライバールームを個室にし、さらにトラックの積み下ろし時間を半減するために2層の車両甲板から同時に乗下船ができるようにしています。

瀬戸内海縦断航路に大型新造船―名門大洋 池田・大阪府大特認教授寄稿(2)に続く

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