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旅行消費の生産波及効果は53兆円 「TSA」導入で観光の日本経済への貢献、明確に

11/05/19

観光庁はこのほど、2009年の旅行消費額(確定値)は25.5兆円と発表した。加えて、旅行消費がもたらす生産波及効果は53.1兆円、雇用効果は462万人など旅行・観光が国内経済に与える影響の大きさも明らかになった。

今回から内閣府の国民経済計算の数値が使用できるようになり、国際的に導入が進むTSA(旅行・観光サテライト勘定)を本格導入。従来より高精度の数値が推計でき、旅行消費などの国際比較も可能になった。

TSA導入に伴い、これまで年度ベースでの数値発表だったが、今後は暦年ベースに変更。過去の旅行消費額も新手法で推計し直され、08年度23.6兆円が08年28.1兆円になるなど各年3―6兆円程度大きく算出されている。ただし、年度と暦年の違いがあり、単純に比較はできない。

09年旅行消費額25.5兆円の内訳は、宿泊旅行17.4兆円、日帰り旅行5.5兆円、海外旅行国内消費分1.5兆円、訪日外国人旅行1.2兆円。宿泊旅行は観光目的10.3兆円、帰省目的4.1兆円、ビジネス目的3.0兆円と分類される。

また、国民1人あたりの平均旅行回数は宿泊が2.72回(観光1.46回、帰省0.80回、ビジネス0.46回)、日帰り2.77回(観光1.76回、帰省0.43回、ビジネス0.58回)。宿泊旅行1回あたりの平均宿泊数は2.38泊だった。

旅行消費が与える国への経済波及効果は直接効果が付加価値12.3兆円、雇用251万人、税収3.4兆円。直接効果を含む波及効果は、生産波及53.1兆円(国内産出額の6.1%)、付加価値27.1兆円(名目GDPの5.8%)、雇用462万人(総就業者数の7.3%)、税収7.4兆円(国税・地方税の9.6%)と推計され、日本経済への貢献度の大きさが示された。

国際比較を見ると旅行消費額は、07年アメリカが約64兆円で突出しているものの、日本は00年ドイツの20兆円強、05年フランス20兆円弱を抑え、世界有数の規模。旅行回数の少なさを考えると消費額の大きさが目立つ。

一方で、各国GDPに占める観光GDPのシェアは、日本は2.1%。オーストリア5.4%、フランス3.7%、イギリス3.4%などに及ばず、観光立国を実現するには今後、欧州並みの数値への引き上げが期待される。

TSAは、旅行・観光がもたらす経済への貢献度を国際比較が可能形で正確に測定する手段として、観光庁がこれまで検討、試作を推進。観光立国推進基本計画や昨年9月のAPEC観光大臣会合で採択された「奈良宣言」でも重要性が触れられていた。今後、観光産業の投資額や行政の観光関連支出額などについても作成を検討していく。

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