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北陸新幹線や高野山―話題は結果に直結 楽天の旅先伸び率ランキングからみる15年のトレンド

15/12/28

楽天がこのほど発表した2015年の国内旅行先伸び率ランキング。楽天トラベルにおける予約状況から算出したものだが、15年のトレンドが垣間見えるだけでなく、国インフラ整備やビッグイベント、政策はやはり少なくとも"短期的には"結果に直結するという事実が見えてくる。

ランキング(11月15日時点の予約実績で算出)トップは、石川県で前年比40.1%増。この要因はもちろん北陸新幹線開業だ。メディア露出増に加え、金沢市内の人気向上に伴う宿泊施設の動きの活発化、連続テレビ小説「まれ」の舞台・能登、七尾線観光列車「花嫁のれん」の登場など話題に事欠かず、開業前から今年春―年末年始まで常に伸び率上位をキープし続けた。4位にも富山県が同32.0%増で入り、新幹線開業効果の大きさを見せつける結果に。

2位は和歌山県で同35.7%増。高野山開創1200年や紀勢道はじめアクセス向上で、こちらも1年を通して大幅に前年を上回った。2年連続での2位となり、この2年で大幅に観光客が増加したことになる。

3位は呼子のイカなど食が注目の佐賀県が同33.2%増。4位富山県、5位がデスティネーションキャンペーン開催の大分県の28.7%増、6位が「花燃ゆ」や富岡製糸場効果の群馬県が同25.7%増、7位が善光寺御開帳の長野県が25.0%増でランクインした。

トップ10の顔ぶれを見ると、鉄道・高速の開通や歴史資産の節目、大型キャンペーンがあった県が多いが8位広島県、9位奈良県、10位長崎県も含め大半が「ふるさと旅行券」を発行していた。同社ではこれも旅に出やすくし観光客増に寄与したと評価している。

ただ、これらの要因はいずれも「話題」を呼んだもの。好機を定常的な人気につなげられなかった過去を鑑み、すでに各地では地域を挙げて"話題に終わらせない"取り組みを展開している。いかに"風"を持続できるか。今年こそが勝負の年になる。

訪日旅行先伸び率ランキングは、1位が熱海(静岡県)で同282.7%増と強烈な伸び。温泉や海だけでなく神社や商店街など日本独特の観光スタイルを歩いて楽しめることが人気のようだ。

2位は福岡市・糸島 (福岡県)で同209.3%増、3位が北九州市内で同208.7%増と、博多港寄港のクルーズ船乗客が年間100万人を突破した効果が表れた。4位は軽井沢・佐久・小諸(長野県)が同206.5%増で入り、ゴールデンルート以外への注目の波及も見てとれる。

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