「出国税」の概要と使途定める 政府、関連法案を閣議決定
政府は2月2日、国際観光旅客税(出国税)についての2法案を閣議決定した。税制度の概要を定めた「国際観光旅客税法案」と、出国税の使途を明文化した「外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律(国際観光振興法)」の改正案。両法案とも現在開催中の通常国会での成立を目指す。
国際観光旅客税法案では、税率は出国1回につき1千円。航空機または船舶で出国する国際観光旅客などに納税義務を課すが、公用機・船での出国者や入国後24時間以内の乗継旅客などは課税対象外となる。
徴収・納付は、国際旅客運送事業者が旅客から徴収し翌々月末までに国に納付する。それ以外の場合は旅客が航空機などに搭乗する時までに出国する空港・港湾の所在地の収納機関を通して納付する。
施行日は1月7日の予定で、18年度予算案では60億円の歳入を見込む。
国際観光振興法改正案では、出国税の使途を規定。(1)ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備(2)日本の魅力に関する情報の入手の容易化(3)地域固有の文化、自然などを活用した観光資源の整備などによる地域での体験滞在の満足度向上―の3分野に充当することを定めた。納税者の理解、先進的かつ費用対効果の高さ、地域経済の活性化など基本的理念のもと、訪日客の誘客、受入体制の強化につなげる。
また、訪日客への利便性向上に向け、公共交通事業者の努力義務の範囲を拡充。Wi―Fiや決済環境の整備、トイレの洋式化、周遊パスの整備などの取り組みを促し、地方への来訪・滞在促進につなげていく。
さらに、観光資源の開発・活用、海外での広報などの施策を推進するため、同法の基本方針の記載事項も拡充。行政区画にとらわれない観光地域づくりを促すため、地方での計画の策定主体を都道府県から地方運輸局、都道府県、DMOなどが参加する広域的な協議会に変更する。
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