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旅館ホテルの「改革」学ぶ 和歌山県が「おもてなしの宿」セミナー

16/12/16

和歌山県はこのほど、同県白浜町のリゾートホテルラフォーレ南紀白浜で、「わかやま『おもてなしの宿づくり』セミナー」を開いた。県内の旅館ホテルから経営者や支配人、調理長など約100人が受講し、設計、経営、料理の3分野にわたり旅館ホテルの「改革」を学んだ。

同県では、山西毅治・県観光局長があいさつで「昨年の観光客入込客数が過去最高の約3340万人を記録するなど注目が集まっている和歌山県へさらに宿泊客の増加を望むには、観光産業の中核を担う宿泊業におもてなしの向上が欠かせません」と話したように、観光発展には宿の力が不可欠として受入体制支援を強化している。セミナーもその一環。

第1部は、アーキテクト・ケイ代表取締役の松葉啓さんが「新時代における『おもてなし設計』による集客術」と題して講演。ターゲットを絞った施設設計と適切な設備投資について解説した。松葉さんは「徹底した差別化、個性化が不可欠な時代においては、コンセプト作りと設備投資実行の時期と内容が重要」と強調。加えてパブリックスペースの強化による集客術などを事例を交えて紹介した。

和歌山県おもてなしの宿セミナー

約100人が受講したセミナー

第2部の雅楽舎代表の孫田猛さんによる講演は「利益を出し続けるための10の鉄則」がテーマ。利益を得るうえでインプットからカスタマイズ、アウトプットに至る重要性を力説した。孫田さんは「まずは経営者の考え方、ビジョン、意思を統一することが大前提」と説き、徹底した月次予実管理が経営のカギを握ると説明。そのうえでスタッフの生活設計まで描けているか、PDCAサイクルの実践法など「10の鉄則」を解説した。

第3部は、和心紡取締役の大山広幸さんが「料理で流行る施設づくり」を演題に話した。経営状況を改善するために宿の名物料理誕生につなげる流れを描き、地域の分析、宿の現状を正確に把握することから、コンセプト策定、地元食材の洗い出し方法までを実際の事例を交えて説明した。

同県の宿泊施設支援はセミナーのほか、9月にラグジュアリーホテルや高級旅館ホテル開設を支援する奨励金制度を創設。建設費や取得費、建物の賃借料を補助するほか、新規地元雇用の拡大に向け雇用奨励金も設けた。2018年度末までに施設開設の協定を締結することが条件。詳しくは県商工観光労働部企業政策局サービス産業立地室073―441―2746。

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