北前船が運んだ夢の歴史物語 日本遺産「船主集落」加賀橋立に

奥深い北陸新発見・石川編(17/07/18)

「日本一の富豪村」の名残求め

文化庁の「日本遺産」に4月、石川県加賀市を対象地域に含む「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間―北前船寄港地・船主集落」が認定された。江戸時代、北海道から東北、北陸と日本海を結んだ船による経済活動が港町に残した繁栄の歴史。今も各地に残るその面影を追えば、人・物・文化をも運んだ夢の歴史物語に出会えるはずだ。

日本遺産は、地域の文化財をまとめ、その価値や魅力を伝える「ストーリー」を認定することで観光振興や地域活性化につなげようというもの。石川県からはこれまで能登、小松の物語も認定されており、今回で3件目となる。

「北前船寄港地・船主集落」は石川県のほか山形県、北海道、青森県、秋田県、新潟県、福井県にまたがる。北前船寄港地には港周辺に立ち並ぶ商家や蔵、町割りといったまちの風景から、民謡や食といった文化面まで、まちの発展と文物交流の歴史が今も色濃く残っている。

石川県加賀市では橋立、瀬越(せごえ)が北前船主の郷。橋立地区は国重要伝統的建造物群保存地区選定の船主集落で、明治初期の町並みの面影が残る。赤瓦や青みがかった笏谷(しゃくだに)石の石垣が往時の雰囲気を伝え、「日本一の富豪村」と紹介された暮らしぶりを今に伝えている。事前予約でガイドの案内もあり、約1時間で散策できる。

加賀橋立
往時の雰囲気を伝える
橋立の歴史的な町並み

加賀橋立
橋立地区にある北前船船主屋敷・蔵六園

橋立地区にある「北前船の里資料館」を訪ねれば、北前船自体について学べる。千石船であれば150トンも積載量があった船の精巧な模型をはじめ実物資料を数多く展示している。同館の建物自体も見どころが豊富。明治5年に建造の北前船主邸で、築140年を超える豪壮な建物は漆で光る梁や柱、黒檀の床の間など往時の繁栄を感じさせるには十分のたたずまいだ。

年中無休。開館時間は9―17時。入館料は一般310円。

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