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08年は国内旅行が来る 日本交通公社・旅行動向シンポから(3)

国内旅行への関心の高まりは、JTBFが今回の調査で初めて行った「旅行のヘビーリピーター・モニター調査」でも明らかになった。

国内旅行への好感度が高い「旅行のヘビー・リピーター」

JTBFでは、05年の旅行市場のうち53%を、「年間4回以上」旅行した14%の人たちが占めるなど、旅行に行く人、行かない人の二極化が進行していることに着目し、旅行に意欲的で周囲への影響力を持つ「旅行をたくさんする人」に焦点を当てた調査を思いついた。

今回は3万人から892人を抽出してアンケートを行った。平均すると彼らは宿泊観光旅行に年間4・7回出かけ、年間49万1000円を消費している。

彼らと、「それほど旅行をしない人」に海外旅行の経験で国内観光の見方が変わったかを訪ねた結果が興味深い。「旅行をたくさんする人」の国内旅行への好感度が高いのだ。

例えば、「旅行をたくさんする人」の42・3%が「日本の観光地のよい点が目立つようになった」と答えていて、これは「旅行をそれほどしない人」の29・7%を10ポイント以上上回る。同様に、「日本文化をもっと理解したいと思うようになった」「日本には世界に誇れる観光資源が多いと思うようになった」も「旅行をたくさんする人」の方が10ポイント前後多かった。

反対に「国内観光地の価格は高すぎると思うようになった」は、「それほど旅行をしない人」が上回っている。

「旅行をたくさんする人」には、今後の旅行計画の立て方についても聞いている。

旅行先と宿泊施設の関係については、「宿泊施設にこだわらない」割合が47・4%から25・0%にほぼ半減しているほか、「観光するより宿泊施設で滞在するほうが大事」「旅行計画ではまず泊まりたい宿を決める」がそれぞれ割合を増やしている。宿泊施設へのこだわりは、特に30代女性と60代以上の女性で顕著になっている。

JTBFの調査では07年の国内宿泊旅行の1人1回当たりの費用は4万円と、前年を1000円上回り、最多価格帯も1万円台から2万円台に上昇している。5―6万円台の価格帯も増えており、高級旅館の人気が背景にあるものと推測している。

(トラベルニュースat 08年1月1日号)

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