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2011年の観光業界を占う 14人が一字で表す「観」字検定(2)

観光業界に携わる有識者14人の方々が答えた「2011年の観光業界『観』字検定」(下表)。

「空」「駅」「優」「質」「恩」・・・ 漢字1字で表す

漢字 選者・コメント
井門 隆夫さん(井門観光研究所代表取締役)
「円高で海外の空へと飛び立つ人が多い。国内は週末集中が一層進み、平日は『空』。しかし、仏教の教えで『空』とは『未来へと向かう無限のエネルギー』」

(うみ)
池田 良穂さん(大阪府立大学大学院海洋システム工学分野教授)
「クルーズが東アジアで爆発する年になりそう。中国起点の定点定期クルーズが日本にも来襲し、日本起点のクルーズも定着。いよいよ日本マーケットも拡大へ」
井村 日登美さん(ホテルジャーナリスト)
「車は軽自動車、海外もLCCで手軽に旅へ。わざわざ休暇をとらなくても行ける海外、ちょっと時間ができたから安い温泉宿という感じ」
久保田 美穂子さん(財団法人日本交通公社主任研究員)
「共感、共創。ウェブ社会化に伴って生まれる新しいつながり方の中で、サービスもコンテンツも提供側も利用者側も一緒に創っていく時代に」
小原 健史さん(和多屋別荘代表取締役)
「本物の観光地や温泉地、本物の旅館やホテルの真の姿に戻るべき。格安リゾートの低料金と競争できる真の宿経営を!東アジア客に真の観光地の魅力を!」
高橋 一夫さん(流通科学大学サービス産業学部教授)
「羽田空港のハブ化(軸)で地域のイン、アウト双方の国際観光が活発化。プラットホームを軸に観光まちづくりの新たな潮流。ITを軸とした観光流通の再編」
玉置 泰紀さん(関西ウォーカー編集長)
「博多駅、大阪駅がリニューアルオープンで『ステーション・シティ』に。飽和状態の物販グルメ施設は、駅ビルが今一番安心。閉塞気味の2011年のトレンドに」
丁野 朗さん(日本観光協会常務理事・総合研究所長)
「観光は経済である前に文化行為。旅先で知りあった人の『恩』に感謝し親切を返す『恩返し』の風土づくりという原点こそが、観光再生のキーワード」
永山 久徳さん(ホテルリゾート下電代表取締役)
「地域、行政、顧客、仲間、ライバルなど、それぞれの願いや思惑がこれまで以上に複雑に絡み合う時代。相手の立場を察する優しさが活路を拓く」
名古 ひかりさん(旅行ガイドブック編集者)
「東北新幹線に続き、九州新幹線が開通。5月にはJR大阪駅の大リニューアルも完了。名古屋には『リニア・鉄道館』がオープン予定。鉄チャン回帰か?!」
橋爪 紳也さん(大阪府立大学観光産業戦略研究所長)
「入り込み客数や波及効果などの『量』だけではなく、どのような層にどのような滞在を提供できるのか。量に加えて、『質』をめぐって真剣に議論をするべき段階」

(おもんぱかる)
松坂 健さん(西武文理大学サービス経営学部教授)
「何が起きるかわからない『事態急変』が当たり前になる世の中で、こちらはいつも相手のことに心を砕く、意思を読み取る、つまり慮ることに徹するしかない」
李 有師さん(大阪千代田短期大学物語観光情報研究センター所長)
「大バーゲンセールのような『一時消費の一国迎合』だけでは瞬間陳腐化が明白。各地域が『心の鏡』を持ち、自己を映し出し、身の丈に合った観光対応が必要」
山田 桂一郎さん(JTIC.SWISS代表)
「ターゲットをしっかりと定めると同時に、そのマーケットに対して旅の目的、理由となる的確なサービスで、お客様の心に的中させなければならない」

(トラベルニュースat 11年1月1日号)

2011年の観光業界を占う 14人が一字で表す「観」字検定(3)に続く

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