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節電バカンス? 今夏トレンドは長期滞在(2)

ゴールデンウイークから個人旅行の復調が旅行会社や地域から伝わる。ただ団体旅行は依然苦戦している状況だ。企業の夏休みが長期化することによって、現状のけん引役である個人旅行のトレンドが変わるという見方がある。

旅行会社・地域 30連泊やプチ移住企画

その根拠になっているのは、国やシンクタンクがまとめた日本人の休暇観だ。例えば、厚生労働省が6年ほど前にまとめた長期休暇に関する過ごし方の調査で、休暇日数が1―3日では「休養」が7割だったものの、1―2週間に連続休暇日数が延びると「旅行」が8割を超えている。この調査に限らず、まとまった休みと「旅行」の親和度は高い。

JTBは「JTBのロングバカンス」シリーズを展開している。家族向けには、長野県軽井沢町や香川県・小豆島など9カ所で過ごす夏休みを提案。長野県飯山市のプランではハイキングや農業体験などを組み込んだ14日間の商品を1人14万3千円で売り出した。ほかにも元教師や現役大学生が宿題を手伝うプランなどもある。

また、シニア層向けには北海道や沖縄で6―30連泊する商品を設定した。ニセコで30連泊した場合、1泊あたり約1740円から滞在できる。海外ではハワイ、マレーシアなどに長期滞在コースを設けている。

日本旅行は今夏の「赤い風船」のラインナップに、滞在型旅行を従来以上に打ち出した。北海道、沖縄のほか京都や高山の「古都で暮らす」、信州へプチ移住などを設定している。

ジャルパックも6月9日から、北海道や沖縄方面で「長期滞在計画」の販売を始めている。

長期滞在客を受け入れようと地域や宿泊施設も力を込める。特に、北海道や信州など、涼しいイメージのある地域、旅館ホテルが熱心だ。

5月下旬、ひがし北海道観光事業開発協議会は東京、名古屋、大阪の3カ所で夏の観光素材説明会を開催した。「クールサマー」を掲げて、道東エリアでの長期滞在型観光をアピール。ホームページ上で各地の体験プログラムや宿泊先などを選択しながら商品造成の手助けをする「ロングステイ企画支援サービス」も始めている。

長野県の白馬村観光局では全国に先駆けて、村内の旅館、ホテル、ペンション、貸し別荘などから選択できる長期滞在プラン「ふぉーゆー白馬」を展開、例年に増して問い合わせが多いという。

今年の夏商戦によっては、これまで定着しそうでできなかった日本型バカンスのきっかけになるかもしれない。

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