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「絆」が旅行意欲 じゃらん宿泊旅行調査から(3)

都道府県別の旅行実態はどうだったか。延べ宿泊旅行者数は例年とほぼ変わらない結果に。東京都が1499万人でトップだが、それでも前年から130万人減。2位は160万人減の北海道の978万人で、1千万人超えは東京都のみになった。3位は神奈川県で以下、長野県、静岡県と続く。昨年から増加したのは神奈川県と6位の京都府だけだった。

奈良県の宿泊者数3割増 「食」のトップは高知県

宿泊旅行にかけられた費用総額も、1位が東京都9422億円、2位が北海道6548億円と昨年同様だが、いずれも1千億円以上減。3位には沖縄県がランクし、4位京都府、5位神奈川県。トップ10では神奈川県だけが増額となった。

延べ宿泊旅行者増加率は、平城遷都1300年祭の奈良県が28.7%の大幅増でトップ。2位は愛媛県、3位は高知県と大型イベントやテレビドラマといった話題が数字に直結した。

初回訪問者率では1位高知県、2位徳島県、3位島根県と香川県など中四国が上位。トップ3は旅行者の5割前後が初回訪問者で、いかにリピーター率を高めるかが課題だ。リピート来訪者比率は東京都、北海道、長野県と続き、延べ宿泊旅行者数と似通った構成に。

テーマ別に都道府県の魅力度を図ったランキングを見ると、「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」では1位が「カツオ」高知県、2位が前年7位から急上昇の「牛タン」宮城県、3位が「カニ・ノドグロ」石川県。宿泊旅行の目的調査で「地元の食」がトップになったように、海の幸やブランド牛、ご当地麺を求める傾向が強い。

今年も沖縄県は強い。「魅力ある特産品や土産物の多さ」「地元の人のホスピタリティ」で1位、その他の項目でも大半が上位になるなど旅行者の満足度は極めて高い。

これらの結果を踏まえて、同センターの横山研究員は「選ばれる観光地になる」ために、初回訪問者かリピーターかなどターゲット市場を定め、地域がなぜ選ばれているかをPRに生かし、満足度を高めることでリピーター化を図ることを提言している。

調査は4月に2回実施。1次調査は、全国の20―79歳の男女を対象に、8万件の回収数のうち2万件を抽出して集計した。2次調査の有効回答数は1万5513件。

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