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「維新伝心」の集大成-全旅連青年部(2) 全国大会で将来へ再スタート

―全国大会会場で、多くの青年部員を前に最初になにを言いましょう。

山口 「おかえりなさい」でしょうか。今回の全国大会のサブタイトルは「みんなが主役 大人の修学旅行」です。みなさん、修学旅行などで一度は京都に来ていると思いますので、「おかえりなさい」ですね。

桑田 2年に1度の全国大会です。今日は丸一日、思いっきり楽しんでください、でしょうか。

山口さん「研さんし積み重ねる」 桑田さん「人間関係を育む場所」

―お二人にとっての全国大会の印象はいかがですか。

山口 初めて参加したのは16年前の東京での大会でした。懇親会がクルーズ船を貸し切っての東京湾クルーズで、その規模に圧倒され、とても驚きました。若いころの大会イメージは、そうした華やかだという感想ですね。旅館ホテルの仲間が全国から数百人の規模で集まることが、単純にすごいと思ったし、先輩たちへのあこがれを感じました。それが回を重ねるにつれて、今度は大会の内容や運営の方法に興味の対象が変わってきました。

今回、参加する青年部員には、世界に誇る京都のおもてなしや文化を感じてほしいですね。今期、私は活動テーマに「維新伝心」と打ち出しましたが、国内外から多くの人が訪れ続ける、世界に冠たる観光地である京都がどのように進化しているのかといった「維新」の部分、また、千数百年にわたって、どのように伝統が受け継がれているのかと言う「伝心」を楽しみながら感じてほしい。

桑田 当たり前のことなんですけど、同年代の同業者がこんなにいるんだなという発見と実感を持ちました。頭で考えているだけなのと、現場で熱気の渦のなかに立つのは大きな違いですね。小さなエリアにいると、みんなが自分のことを知っていますが、全国大会に行くと、自分は誰にも知られていない。自分がちっぽけな存在なんだと認識できる場でした。同時に、同じことに悩んでいる若い人たちがこんなにいるんだと知って、気が楽になったのも覚えています。

全旅連青年部対談

山口部長(左)と桑田さん

―今期を振り返ってください。手ごたえはいかがですか。

山口 今期は5つのミッションを掲げて活動してきました。税制や耐震対応など政策的課題の解決、インターネットを活用したダイレクトマーケティングやOTA対応など流通課題への取り組み、人口減少のなか魅力ある旅館ホテル業の構築など構造的課題への対応、個々のレベルアップによる組織力の強化や情報がきちんと伝わる風通しのいい組織運営、それから災害支援ネットワークの構築です。私は部長としてそうした所信を述べ、そして文章で示しました。それを具現化してくれたのは委員会です。私は青年部の運営では、委員長の考えや委員会の意思を大切にしたいと思っています。委員会活動のなかから、また次の出向者、委員長、副部長、青年部長が出てくるといいなと思っています。

青年部は研さんの場です。例えば常任理事会に上程する資料の作り方も、委員会というチームで事業を構築するのも、自己研さんであり、それが一人ひとりのレベルをあげ、業界全体のレベルアップにつながります。所信で繰り返し書いたのが、「着実に」「一歩一歩」「コツコツ」といったフレーズです。たぶん時代によって求められる青年部の役割や、部長の役回りがあるんだと思います。そういう意味では、私はなにか1つのことを大きく打ち上げるより、一つ一つを積み重ねるのが役割だと思いましたし、それが自分の性格にもあっています。1期2年で成果が結実しなくても、あれが将来へのスタートだったと後で思える事業がいくつかできるといいなと思っています。

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