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【松崎】長八美術館・「鏝絵」の繊細な美 松崎の旅スケッチ(5)

伊豆の長八美術館。「鏝(こて)で伊豆長が日本一」と讃えられた松崎出身の左官、入江長八の鏝(こて)絵を常時50点以上展示している。

漆喰彫刻、漆喰芸術とも称される鏝絵。もとは左官が施主に対する漆喰仕事のお礼として土蔵や母屋の壁などに残したものだが、施主側が希望し着色した漆喰で外壁を装飾することもあった。

江戸末期から明治にかけて、そうした職人仕事を芸術の域にまで高めたのが入江長八。初めて長八の鏝絵に接したとき、鏝だけで仕上げたとは思えない、その繊細さに驚いたのを覚えている。

入館すると、受付の係員に虫眼鏡を渡された。「どうぞ鏝絵の繊細さを確かめてください」というわけだ。海の絵に虫眼鏡をかざすと、肉眼では船上で点のように見える人々が、活き活きと浮かび上がった。

松崎町にある国指定重要文化財岩科学校でも長八の作品を見ることができる。美術館に収められる芸術としての作品ではなく、本来の鏝絵として生活の場を彩った長八の作品も興味深い。

長八美術館では漆喰鏝絵の普及にも努めている。全国漆喰鏝絵コンクールは今年で12回目。例年7月まで作品を受け付け、最優秀賞1点には賞金10万円と副賞を贈る。優秀作品15点は長八美術館に特別展として展示する。

また、春休み期間の3月26日―4月3日までは鏝絵体験教室を開催する。美術館職員が指導し、鏝絵を作成・着色し、オリジナルの作品を作ってもらう。体験は約1時間30分―2時間程度で、料金は1人1千円。

長八美術館は年中無休で開館時間は9―17時。入館料は大人500円。中学生以下は無料。

問い合わせは、伊豆の長八美術館 電話0558―42―2540まで。

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