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ドーハの歓喜 富岡製糸場と絹産業遺産群が世界文化遺産に

群馬県内4カ所が登録

6月21日にカタールの首都ドーハで開かれたユネスコの世界遺産委員会で、群馬県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産に決まった。昨年の富士山に続き日本国内では14カ所目で、自然遺産と併せると18カ所目となった。

委員会からは「高品質生糸の大量生産を可能にし、世界の絹産業の発展に重要な役割を果たした」として評価された。

ドーハで登録決定の瞬間に立ち会った群馬県の大澤正明知事は「世界の宝となった資産の保存管理にしっかりと取り組んでまいります。世界遺産の価値を、国内はもとより海外の方々にも広く知っていただき、群馬県のさらなる発展に生かしていきたい」とコメントし国内観光、訪日観光の活性化に意欲を示した。

富岡製糸場

富岡製糸場の外観

世界遺産の登録対象は富岡製糸場のほか、絹産業遺産群として田島弥平旧宅や高山社跡、荒船風穴の4カ所。

富岡製糸場は1872年、明治政府が近代化のため設置。長さ140メートル、幅12メートルの繰糸(そうし)場をはじめ大規模な建造物が並び世界最大規模を誇った。その後、三井家や片倉工業に引き継がれ1987年まで製糸場として操業した。

田島弥平旧宅は近代養蚕農家の原型となる総2階建ての建物。1階は住居、2階は蚕室で、蚕室には換気設備のヤグラを備え、近代養蚕法「清涼育(せいりょういく)」により安定した繭の生産に成功した。

高山社跡は養蚕改良高山社が養蚕技術の普及にあたった場所。養蚕法の1つ「清温育」の指導を行い、今も蚕室が残る。

荒船風穴は自然の冷気で蚕の卵を貯蔵し、電気冷蔵が普及する昭和10年ごろまで活躍した。冷蔵し卵のふ化を遅らせることで、年に複数回の養蚕を可能にした。

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