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竹島水族館は「B級の星」 改革のカギは「地元」と「親近感」/蒲郡

貴重な深海生物にスポット 思わず笑う解説プレート

古い、小さい、B級感。こんなマイナス要素も工夫と心意気、そしてなにより中身を磨けば輝く素材に変わる。そんな観光ブランディングのお手本のような成長を見せているのが、蒲郡市の竹島水族館だ。2010年度に12万人だった入館者数が15年度には33万人超に。5年間で人気スポットになった裏には、ありがちな旧態依然の展示手法を改革した、アイデアと努力があった。

現在の同館建物は1962年建造と日本の水族館として2番目に古く、お世辞にもきれいな外観とはいえない。観光客は不安を覚え、入館しても高い満足を得られなかったという。そんな中、10年に飼育主任に小林龍二・現館長が就くと運営方法と展示手法を一新。このお金をかけずに思考を変える改革が飛躍への転機だった。

今、同館の人気コンテンツが深海生物。地元漁師から買い付けた生物はコガネウロコムシなど珍しいものが多く、日本で唯一のオオワニザメを搬入しているなど貴重な生物が暮らす水族館というブランドを確立した。さらに、タカアシガニやオオグソクムシに直接触れられる身近さも人気に一役買っている。

竹島水族館

生物とのふれあいコーナー

加えて「手作り感」。魚の解説プレートは飼育員が絵や文章を書いて作成した。食べ方や飼い方を記したり、表現方法も自由。思わず笑うものも多い。また来館者が目標未達なら「男性スタッフ全員丸坊主」という公約を掲げるなど通り一遍でない企画も連発。こういった親近感を与えるムードづくりも評判だ。

竹島水族館

飼育員による解説プレート

もちろん一般的な水族館としての機能も持ち、500種4500匹の生物を展示、アシカのショーもある。これで入館料は大人500円、小中学生250円というから、家族も学生グループもカップルも、なんだかふらりと訪れ、ほっこりと楽しんでしまえるのだ。

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