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西日本でニューツーリズムを創造 松山市が"瀬戸内・松山構想"

愛媛と広島の連携で

愛媛県松山市は、新たな観光戦略として「瀬戸内・松山」構想を掲げた取り組みを始めている。瀬戸内海が持つ魅力を最大限に引き出し、物語を演出しながら広島地域の資源と愛媛・松山の資源を組み合わせて磨くことで西日本にニューツーリズムを創造、提案していく考えだ。すでにこの構想をもとに誕生した旅行商品は旅行会社の商品として採用され、成果をあげている。

日本初の国立公園である瀬戸内海。特に広島と愛媛・松山を結ぶエリアは、多島美の島々の景観、そして歴史や文化、産業など多彩な資源の宝庫だ。その周辺には世界遺産・厳島神社、かつての軍港の面影を残す呉、日本最古の名湯・道後温泉など、日本を代表する観光スポットがあり、国内外の多くの観光客から高い評価を得ている。

こういった資源を最大限に生かすため、広島県が掲げる「瀬戸内海の道構想」との連携を深め、新たな旅行商品を造成していくなか、今年の12月、3年間にわたって放送されているスペシャルドラマ「坂の上の雲」がいよいよ最終章を迎える。その直後の翌年には瀬戸内海を舞台とする大河ドラマ「平清盛」の放送が予定されている。

「坂の上の雲」の主人公たちは高い志を胸に瀬戸内の「海の道」を旅立っている。秋山真之は江田島の海軍兵学校で学び、バルチック艦隊の撃破という功績を挙げた。彼の戦法は伊予の水軍を研究したものといわれる。正岡子規は「海の道」を渡って呉や宮島に多くの名句を残した。

坂の上の雲ゆかりの地

坂の上の雲ゆかりの地

「坂の上の雲」の舞台・松山には秋山兄弟と
正岡子規に関連する施設が多く残る

「平清盛」では瀬戸内海が伊予の水軍が功績を残した海域として注目を集めるとの期待が高まっている。

この「坂の上の雲」「平清盛」にかかわる人物や資源、歴史、文化、産業をベースに、「海の道」を活用して新しいツアーを提案するのが「瀬戸内・松山構想」だ。2014年3月には瀬戸内海国立公園指定80周年を迎え、瀬戸内海をこれまで以上に様々な魅力を持ったエリアとして商品造成を行いながら働きかけていく。

松山市観光産業振興課の織田祐吾主管は「瀬戸内海は、あれだけのすばらしい景観がありながら、魅力ある旅行商品はなかった。広島と愛媛が瀬戸内海の魅力を引き出す時代が来た。瀬戸内海を『海の道』として広島と愛媛の観光素材をつなげるニューツーリズムを創造していきたい」と話している。

「坂の上の雲」「平清盛」という2つのテレビドラマの放送を好機として、「瀬戸内・松山構想」を大幅に推進していく方針だ。

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