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まちのど真ん中に観光を据える 上天草「新春初夢鼎談」(2)

全体周遊してこそ天草

―上天草のポテンシャルは非常に高いと思いますが、旅行業界の最前線で活躍する池田社長はどう見ていますか。

池田 上天草と天草の垣根をとっぱらい、天草は一つだというような施策を打っていかないと、東京や大阪、海外のお客さんに届きません。天草は一つという感覚で観光行政、観光協会が事業展開をすると、我々にとっても売りやすい。泊まりだけだったら上天草でいいんですが、地域としては天草全体を回らなければ周遊が成り立ちません。インバウンドにしてもこれからは東南アジア、イスラム圏の誘客にも目を向けていかなくてはいけません。韓国のグルメ勉強会をされたということですから、今度はイスラム圏の食文化をぜひ勉強してもらい、インターナショナルを視野に貪欲にやっていただきたいなと思っています。

ただ、それにはどうしても行政では限界があります。予算や人的な面を考えると、やはり民間が前に出てやる。それを行政でバックアップするという体制が必要です。そして、外の人も入れてつねに意見交換、情報の共有化をしながら上天草の事業推進ができればいいと思います。

池田孝昭さん

株式会社全旅社長
池田孝昭さん

―上天草観光の課題はなんでしょうか。

堀江 一番の課題は交通アクセスだと思うんですが、我々だけで解決できる問題ではないので、国や県と連携を取りながら改善の方向で活動していくべきだと思っています。

あとは池田社長が仰ったように、天草へ行く場合に地域の窓口はどこなんだというケースが出ていると思います。自治体ごとに受け入れる窓口が違うというのもおかしな話で、お客様の周遊を考えると天草市や宇城市など近隣の自治体と連携をとりながらお客様をもてなす時代にきていると思います。

千原 観光協会を一つにしようというのは、昔から言われていることです。上天草だけで多様化するニーズに対応できるのか、それとも宇城、宇土、苓北など広域なエリアでものがたりを創っていくのかということです。個人旅行がこれだけ増え成熟してきた中で、お客様はテーマを設けて旅行を楽しんでいるスタイルが目に見えてきています。そこをクリアしないといけません。

あとは観光メニューづくり、地旅、着地型商品を含めてすぐに造っていかなければならないと思っています。上天草には素晴らしいところがたくさんあるんですけれども、その価値を創造するときに、観光協会がお手伝いをしていくというのが、地域を活性化していく手段だと思います。そうすると新しい着地型商品というのが生まれ、池田社長をはじめ全旅の力を借りて発地と着地のお互いのマッチしたところを引き出していく。それが上天草らしい着地型商品になるのかなと思っています。

まちのど真ん中に観光を据える 上天草「新春初夢鼎談」(3)に続く

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