イチオシ鉄道の旅　北近畿の豊かな車窓風景

余部橋梁や鎧駅　旅情誘うＪＲ山陰本線

鉄道を使った旅が楽しいのも北近畿の魅力としてイチオシしたい。エリア内を走る路線は車窓を流れる自然と風土を伝える風景がどこか懐かしさに満ち、旅情感にあふれる。ゆっくりとめぐる「鉄旅」自体が大きな観光素材なのだ。

ＪＲ山陰本線は、但馬エリアでは和田山から豊岡へ抜けると玄武洞駅周辺の円山川の風景を眺めながら山陰海岸へと鉄路を走る。

ＪＲ餘部駅に隣接する余部橋梁からは日本海の絶景を一望。東洋一のトレッスル橋として親しまれた旧鉄橋は橋脚の一部が保存され、展望施設「空の駅」として観光利用されている。

餘部駅の上り方面へ次の駅、鎧駅は鉄道ファンなら知らない人はいないほどの旅情感に満ちた駅。ホームから日本海と漁港が一望でき、無人駅の風情が日本海の哀愁とマッチする。浜坂・諸寄へと西へ向かうなか、トンネルや山の中を紅葉や雪景色といった季節感を感じながら列車は駆け抜けていく。

東舞鶴―敦賀を結ぶＪＲ小浜線は三方五湖を望み、若狭湾の青い海を眺め、峠を越える。昔ながらのローカル線ならではの風情が気分をのどかにさせる。

丹後では京都丹後鉄道が旅気分をかきたてる。福知山と宮津を結ぶ宮福線は大江山中を行く。山の緑の中で車窓に移る集落が地域の暮らしを伝えてくれる。一方で、西舞鶴―豊岡間を走る宮津線では丹後由良―栗田間の奈具海岸、丹後神崎―丹後由良間の由良川橋梁の風光明媚な景観がおすすめだ。

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