観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

ええもん探しの旅 和歌山県

10/10/07

ええもん、みっけた―。その地ならではのお土産を、現地で吟味するのは旅の大きな楽しみの1つだ。自然豊かな和歌山県は、新鮮な山海の恵み、伝統の調味料と食の魅力が勢ぞろい。県内北から南まで駆け回り、地域感たっぷりの旨味を手に入れたい。話題の鉄道や歴史情緒溢れる町並み散策など観光も忘れずに。食欲の秋は、紀州へお買い物旅行に繰り出そう。

醤油発祥の地で本物の味 湯浅町

湯浅町は、江戸時代から続く醤油醸造業のまち。今も昔ながらの製法にこだわる蔵元が軒を連ね、古く懐かしい町並みに醤油の香りが漂う。日本の醤油づくりの発祥地で、本物の味を手に入れたい。

醤油の起源は、鎌倉時代に紀州の僧が中国南宋から持ち帰った金山寺味噌を湯浅に伝えたことにある。味噌の醸造過程で出る「たまり」を改良し醤油に発展。湯浅の醤油醸造は江戸時代に最も栄え、湯浅の名は全国に広まった。今では蔵元は少なくなってきているが、昔ながらの製造にこだわり続け、濃厚でまろやかな伝統ある美味さを確実に受け継いでいる。

明治14年創業の丸新本家から醤油部門を法人化した、その名も「湯浅醤油」。金山寺味噌のたまりを再現しているほか、丹波の黒豆を原料に古式製法で仕込んだ「生一本黒豆醤油」は濃厚で深い味わいが特徴だ。5年連続でモンド・セレクション最高金賞を受賞し、ミシュランで星を獲得したベルギーのレストランシェフも愛用しているという。

また、小学校への醤油づくりの出張授業や工場見学を実施するなど伝統の継承に力を入れる。工場見学は醤油蔵「九曜蔵」で、約100年前から現役の樽をはじめ樽が立ち並ぶ工場内を巡り、醤油の造り方を蔵人が案内してくれる。試飲も可能で、吟味して隣接する醤(ひしお)館で購入しよう。

見学の問い合わせ、申し込みは 電話0737―62―2100。

湯浅のまちは、軒を連ねる旧家や土蔵、江戸時代の銭湯「甚風呂」など醤油醸造最盛期の名残をとどめており、伝統的建造物群保存地区にも指定されている。江戸から昭和にかけての古く懐かしい空間が広がる町並みを歩き、醤油が生み出される背景に触れることは、醤油の味わいをより深くしてくれるはずだ。

湯浅の町並み

醤油の香り漂う湯浅の伝統的な町並み

漁港直送マグロに舌鼓 南紀白浜

白浜温泉からすぐ、白浜道路沿いの「大漁みやげセンター」は紀州土産の総合センター。海産物から銘菓、工芸品まで和歌山県内のお土産がそろい、南紀白浜観光の立ち寄りに人気のスポットだ。

天日干しにこだわった地魚の干物のほかクジラの加工品、カマボコなど海の幸が充実。紀州南高梅やゆず最中などの銘菓、つくだ煮、白浜の天然水「黄金水」なども製造、直売しており、店内は所狭しと和歌山土産が並んでいる。

南紀に来たら、やっぱりマグロを食べたい。同センターでひと際目を引くのが、生マグロの解体即売コーナーだ。近海マグロ水揚げの本場、勝浦漁港から直送されたマグロが、目の前で豪快にさばかれる姿に買い物客から歓声があがる。解体されたマグロは試食も可能で、予算に応じて切り売りしてくれる。100グラム300円から。

解体された新鮮なマグロは併設の「大漁まぐろ家」で食べよう。田辺湾名産のひとはめわかめと赤身のヅケのどんぶりなど創作マグロ料理が味わえる。

アクセスはJR白浜駅から車で10分。営業時間は8時―16時30分。大型バス20台、乗用車45台駐車可能。

同センターを運営する福亀堂は白浜・三段壁前の三段店などでも店舗を展開している。

大漁みやげセンター

マグロを豪快に解体、即売

とことん地元産 紀の川市

「産直市場よってって」は、田辺や高野口、新宮など和歌山県内に7店舗展開する大型農産物直売所。野菜や果物、花など地元生産者こだわりの新鮮な品がずらりと並ぶ。同じ野菜でも育つ土地が違えば味も違う。紀州の採れたての恵みを手に入れよう。

店舗近隣の生産者が会員登録し農産物を納めるスタイルで、商品はとことん地元産。全体で3千人を超える生産者が登録しており、各店は常に旬の味覚で詰まっている。

これからが旬の和歌山の定番・温州みかんやカキのほか、ナシやブドウ、野菜、紀州の梅干しや備長炭など和歌山各地の名産品と品揃えは豊富。産直であるため比較的安価で手に入り、生産者の名前が記された農産物は安心であることもうれしい。

なかでも紀の川市に3月に開店した貴志川店は、注目したい1店だ。併設しているバイキングレストラン「八十八家」では産直野菜が心ゆくまで味わえ、敷地内に7月にオープンした「ふれあい館」では県内の淡水生物やメダカを観察できるなど、バラエティに富んだ施設になっている。

また、貴志川店の近隣には、猫の「たま駅長」で話題の和歌山電鉄・貴志駅が。買い物がてら駅に立ち寄って、たま駅長の仕事ぶりを眺めるのも、そのまま駅長が描かれた「たま電車」で沿線観光に繰り出すのもいいだろう。

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