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歴史、食の"ほんもの" 福井坂井広域観光圏

10/02/05

福井県の福井市、あわら市、坂井市、永平寺町にわたる「福井坂井広域観光圏」。「あなたのふるさとを提供します―ほんもの体感物語」とうたい、地域固有の歴史と食を売り出している。福井の"ほんもの"はいかなるものか、訪ねて歩いた。

まず歴史の"ほんもの"は、福井市の一乗谷朝倉氏遺跡。この地を治めた戦国大名・朝倉氏が築いた城下町だが、織田信長に滅ぼされ燃やされた。しかし1967年の調査以来、当主の館や武家屋敷など町並みがそのまま発掘、「復原」され、今では戦国城下町として全国で唯一、国の三重指定を受けている。遺跡のシンボル「唐門」や庭園、町並みは往時の栄華を伝えており、歴史の重みを感じさせる。

そのほか、悲恋の物語が伝わる奇勝・東尋坊や曹洞宗大本山・永平寺といった定番のスポット、日本最古の天守閣を有する丸岡城、北前船の寄港地として栄えた三國湊の町並みなど、圏内の歴史資源の奥深さには驚かされる。

そして食にも"ほんもの"あり。「朝倉膳」は、朝倉氏が将軍・足利義昭をもてなした膳のうち、本膳と弐の膳を再現したもの。地元食材にこだわり、呉汁、ぜんまいの白和え、黒ごまと里芋の「ごまころ」など当時のごちそうが、地元の主婦たちの手で蘇った。素朴な味わいに、往時に思いを馳せてみる。

越前ガニやコシヒカリ、越前そばの美味しさは知られたところだが、福井は焼き鳥文化が盛ん。家族で焼き鳥店を訪れるのが定番だったり、1人30本はたいらげるというのも福井ならではの食文化で面白い。

福井県観光連盟がこのほど関西の観光関係者を招いて開いた、これらを体験するモデルツアー。参加者から「朝倉氏遺跡は歴史愛好家にはたまらないだろう」「食材の美味しさに驚いた。食を魅力に売っていきたい」といった声があがっていた。"ほんもの"は胸に伝わったか。  

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