「平清盛」で瀬戸内連携 国交省の地方5部局、クルーズで広域観光
来年のNHK大河ドラマ「平清盛」を機に、ゆかりの瀬戸内地域の観光を活性化しようと西日本の国土交通省地方部局が連携する「『平清盛』瀬戸内連携推進会議」の第2回会合が11月14日、神戸市中央区の神戸海洋博物館で開かれた。来年3月に瀬戸内海でモニタークルーズを開催するなど具体的事業を決定。クルーズや共通サービスで各地をつなぐなど広域的に取り組みを展開し、新たな瀬戸内観光を創出する。
来年3月にはモニタークルーズ
同会議は7月に中国運輸局と神戸運輸監理部、四国運輸局で設立。今回、近畿運輸局と九州運輸局も加わり、より広域的に観光振興に取り組むことになった。
会合では、各部局のトップが集結し、今年度、2012年度事業を決めた。今年度事業として来年3月に実施するモニタークルーズは神戸発で、香川・高松―広島間を高速船でクルーズ。神戸市内の清盛関連の史跡・施設や、高松市の屋島、広島・厳島神社などをめぐる。今後、旅行会社など商品化を促していく。
また12年度事業では、クルーズ客船による瀬戸内広域クルーズの誘致に取り組む。3泊4日で横浜から大阪湾、瀬戸内海を通り、厳島神社や壇ノ浦を経て、福岡・門司へ向かうモデルコースを策定。料金面も含めてクルーズ会社を支援していくという。
そのほか、現在、広島県エリアで展開している、自転車と旅客船でゆかりの島々をめぐる「せとうちサイクルーズPASS」を神戸、四国、山口県まで拡大することや、福岡空港から下関、広島、四国、岡山、神戸、京都、大阪へと向かう訪日客向け「新ゴールデンルート」の誘致促進なども決めた。
幹事局を務める中国運輸局の荒井伸局長は「これまでも瀬戸内各地で振興策が図られてきたが、具体的な成果があげられなかった。今回の『清盛』をチャンスと捉えて5部局で瀬戸内振興の連携を図り、広域的、国際的に推進していきたい」と話していた。
この日は、クルーズ客船「ぱしふぃっくびいなす」船長の由良和久さんを講師に、瀬戸内クルーズの魅力を考える講演会も開催。由良さんは瀬戸内クルーズの風景写真を眺めながら、経験談を交えて魅力を紹介。「瀬戸内海は穏やかで揺れも少ない。そして自然とのどかな町並みの良さが全身で感じられ、歴史への探求心も満たしてくれるのが瀬戸内海クルーズ」と話していた。