鳥取・米子は「古代ロマンと名水の郷」 観光協会が視察研修会
11/12/02
鳥取県・米子市観光協会はこのほど、関西の旅行会社やメディアを招いて現地視察研修会を開いた。古代に関する遺跡・施設と名水を育む自然をテーマにしたコースをまわり、商品化の可能性を探った。
今回重点的に視察したのは、大山山麓に位置する同市淀江町。古代の遺跡や施設が集中する「古代ロマンの郷」だ。
4月にオープンした「上淀白鳳の丘展示館」は7世紀後半の建造とされる上淀廃寺跡の金堂内部を再現。釈迦如来坐像の復元や釈迦説法図を配置するなど古代ロマンが目の前に広がる。
近隣の大山町の妻木晩田(むきばんだ)遺跡は、弥生時代の大集落跡。竪穴式住居や四隅突出型墳丘墓など発見されており、当時の暮らしぶりを今に伝える。今夏には子どもたちを対象に竪穴式住居に泊まるモニターツアーも実施したという。
また、淀江の地は名水の郷でもある。大山山麓が生み出した清澄な水を豊富に湛える「天の真名井」は日本の名水百選の1つ。観光施設「白鳳の里」の中核施設「どんぐり館」では、名水を使った豆腐や、古代食・どんぐりを使った料理など淀江の味が楽しめる。
古代・名水めぐりの宿泊は皆生温泉へ。皆生の海岸での散策、スポーツメニューが近年生み出されており、トライアスロンで五輪に出場した市観光協会職員の小原工さんに指導を受けての健康メニューやウオーキングも新しい皆生の魅力だ。視察に参加した旅行会社からも興味を示す声が挙がっていた。
周囲に足を延ばせば、「加茂川・中海遊覧船」や立ち寄りの定番、お菓子の壽城もある。市観光協会では、今回巡ったこれらのスポットを組み合わせて、「美水の郷」観光の商品化を提言している。