"ここだけ"の味わい―マグロの新料理を開発 鹿児島・いちき串木野
鹿児島県いちき串木野市は、遠洋マグロ漁船の保有数日本一の「マグロのまち」。この特徴を生かそうと、市を挙げて「食のまち」づくりに取り組んでいる。11月13日にはマグロを使って開発した新料理を発表。「マグロを食べるならいちき串木野」と魅力発信が進む。
同市の観光資源はマグロをはじめとする食のほか、果樹狩りや散策、焼酎づくりなど自然・産業体験、国家石油備蓄基地などでの教育体験など。昨年には総合観光案内所を立ち上げるなど観光振興を本格化させ、今春全通した九州新幹線の活用も念頭に誘客拡大策を展開。単なる「通過型」にとどまらない観光地への脱却を目指している。
なかでも「食」は、2009年に「食のまちづくり条例」を制定するなど、観光振興の基幹的役割を担う。約10年前に開発した「串木野まぐろラーメン」から「いちきポンカレー」「験カツぎ御飯三大カツ」と立て続けに地元グルメを誕生させている。
今回は、九州新幹線開業効果を逃してはならないと、マグロ料理の新作を開発。今春から商工会議所や総合観光案内所、市内飲食店が中心となって開発を進め、マグロの尾身を使った「まぐろ舵取り丼」とエラの身を揚げた「エラ身の唐揚げ」という2つの新商品ができあがった。
13日に市民やマスコミなどを招いて発表夕食会を開催。新商品2種のほか、市内飲食店10軒が独自に開発したマグロ料理も提供された。新商品2種の舵取り、エラもそうだが、マグロの白子の茶わん蒸しやつのわたの釜飯、胃袋とエラ身の田舎風みそ煮込みなど普段使わない部位を使った料理で、「ここでしか食べられないマグロ料理」を確立しようという算段だ。
関係者は当初、市民60人ほどの参加を見込んでいたが、当日は200人超が出席するなど市民の注目度も上々。料理を味わった市民は「部位が部位だけにどうかと思ったが、美味しい。マグロの新しい魅力がわかった」と話していた。
同市の田畑誠一市長はあいさつで「これで一層魅力が増えた。これまで以上にいちき串木野の食を内外に発信、アピールしていく」と語った。
今回発表された新料理は、「舵取り丼」「エラ身唐揚げ」は今回参画した飲食店全店で、独自メニューも各店で味わえる。