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静岡県観光協会の観光大賞に舘山寺温泉 旬の体験をツアー化

12/06/27

静岡県観光協会はこのほど、しずおか観光大賞にNPO法人浜名湖舘山寺温泉観光街づくり協議会(金原貢代表)が主催する着地型旅行商品「遠州道中膝栗毛」を選んだ。同賞は、観光地の新しい魅力づくりや独創的な取り組みを表彰するもので、今年で13回目。

遠州道中膝栗毛は2007年から浜名湖かんざんじ温泉へのリピーターづくりや連泊滞在客の増加、地産地消、農商工連携による地域活性化、宿泊施設社員の「おもてなしの心」の育成を目的に始めた。

宿泊客から「かんざんじ温泉に何回も来ているけれど、ほかに何か見るところがない」といった声が多く、その要望に応えるという目的もあった。

商品はツアーバスで回り、できる限りメジャーな施設は避け、花摘み体験や季節の花観賞などを重視。花を前面に出し観光施設ではない農家や体験施設を巡る内容で、旬の花めぐりや宿泊客層にあったコースを選定している。旬なコースづくりのため、2週間に一度は行き先を変えたツアーをつくり、年間で28コースを造成する。

その結果、観光バスが行かない埋もれた施設の発掘にもつながり、果物栽培・花栽培農家、舞茸栽培、豆腐づくり、和紙タオル、新茶摘取り、養蜂場、浜名湖競艇観戦教室、天浜線乗車などツアーを通して観光商品化した施設も多く生まれている。ツアーには旅館従業員や地元の人がガイドについて案内する。

遠州道中膝栗毛

地元の隠れた魅力を伝えるツアー

ツアーの参加は、舘山寺温泉旅館組合加盟宿泊施設の宿泊客限定。毎日9時前後に出発し、12時前後に帰着。参加費は1千円。2人から催行する。予約はウェブのみで、1年前までは前日の18時までの予約に限定していたが、宿泊客が利用しやすいように当日朝でも受け付けることにした。予約の30%は宿泊施設へのチェックイン後だという。

利用客は遠州地方、中京圏、関東・関西がそれぞれ30%ずつ。参加者の30%は自家用車利用が占める。年間利用客は2010年度が6128人、09年度6012人、08年度6080人と3年連続で6千人台を維持している。1日平均では17人が参加していることになる。

10年8月には第3種旅行業を取得し、積極的に企画運営に取り組んでいる。運営は収容人数別の固定費と変動費に分けて各旅館が負担。行政からの補助金を受けず、旅館組合の負担と参加費で自主運営している。

協議会では「会費が1千円なので、明日どうしようかと行き先に迷っている方にとっては利用しやすいようです。お客様からも午前中の3時間から3時間半なので、お客様の行程にも影響がなく気軽に参加できるとお聞きします。地元の人たちにとっても意外と知らなかった施設が多く、あとあとから買物に行く人もいて、地域の生産者にも喜ばれています」と話している。

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