新潟県、関西市場へアプローチ 大阪で初の観光セミナー
新潟県が関西市場へのアプローチを強めている。2015年春に開業する北陸新幹線で、関西からのアクセス向上を絶好の好機と捉えた。2月7日には、新潟県観光協会とともに関西では初めてとなる観光セミナーを開催した。
大阪市内のホテルで開かれたセミナーには、旅行会社やマスコミが多数来場し会場は満員の盛況だった。かつて佐渡や妙高などは関西にも馴染み深かったが、ここ最近は関西からの宿泊旅行シェアは4%程度にとどまっている。
地元を代表してあいさつしたJR西日本営業本部の橋本修男部長は「2年後に北陸新幹線が開業すると関西から新潟まで約40分短縮し、身近になってきます。目の肥えたシニアにも若い人にも受ける魅力的な観光素材が多く、新しいデスティネーションとして売っていきたい」。
県観光協会の高橋正会長は「関西でのPR活動に力を入れる」とし、県と観光協会大阪事務所の要員を増やすとした。
大野裕夫副知事は「2年後の新幹線開通で、新潟県西部と長野県北部は関西の旅行会社にとっても重要なマーケットになりうると思っています」と見通し、県内での取り組みを紹介。目玉は、来年4―6月の新潟デスティネーションキャンペーン(DC)で、大野副知事は「2年後につなげていく商品開発、情報の発出をお願いしたい」と呼びかけた。佐渡や尾瀬への周遊ルート、スキーが復活しつつあることも紹介した。
JR東日本新潟支社の中村浩之部長は「新潟でのDCは8回目になります。1県に2つの新幹線(北陸と上越新幹線)ができ、観光面で非常にメリットがある。新潟県内を2泊3日、3泊4日で周遊できるスタイルを提案していきたい」。
DCについては県観光局の渋武容局長が詳述した。DCは「うまさぎっしり」をテーマに展開するが、うまさを整理し「つなぐ」ことに力を入れ一過性にならないよう進めていることを強調していた。例えば、県旅館組合が県内21地域で展開している「朝ごはんプロジェクト」に加え、今春から「にいがた地酒の宿」もスタートする。地酒と地酒に合う料理を提供し清酒の達人がいる宿を認定するもので、酒蔵と宿がつながった。
各地域のプレゼンテーションでは、県西部の上越地域は、新幹線の開通で新大阪から糸魚川へは4時間20分から3時間10分に短縮することから、西の玄関口としてアピール。中越エリアは、ご当地丼選手権でグランプリを獲得した「柏崎・鯛茶漬け」、県内随一のパワースポット弥彦神社、今年6月に開湯300年を迎える岩室温泉、新潟市に今年相次ぎオープンする「マンガの家」「マンガ・アニメ情報館」などを紹介した。
下越エリアは瀬波温泉や村上市の町家、魚沼エリアは次回15年に開催する「大地の芸術祭」など。佐渡エリアは3月30日にオープンする「トキの森公園」が注目を集めそう。マジックミラーの効果で目の前でトキが観察できる。
新潟県では今後も定期的に関西での観光セミナーを予定しており、大阪在住のスタッフも倍増させている。