長崎・的山大島でスギ"避粉"ツアー モニター募集中
九州の北西部に浮かぶ長崎県・的山(あづち)大島で2014年3月6―9日、スギ花粉症のセラピーツアーが行われる。スギ林がほとんどなく、スギ花粉症の島民もごくわずか。近年は"避粉地"としてPRし、08年からは毎年モニターツアーを実施している。個人差はあるものの症状の改善傾向が認められるという。現在、首都圏や関西方面からのモニターを募集中だ。
ツアーは、NPO法人文化財匠塾平戸支部とあづち大島たからもんの会、神浦町並み保存会が主催。長崎県や平戸市も協力し、旅行主催は平戸観光交流センターが担う。6日昼に長崎空港に集合し、平戸港からフェリーで的山大島へ渡る。7日は棚田や玄海灘の眺望、風力発電風車などを見学する島めぐりを楽しみ、イカの塩辛のお土産づくりや釣りを体験する。8日は終日自由行動で、希望者は専門医の花粉症講座を受講できる。9日は12時30分から13時ごろ長崎空港に戻ってくる。ツアー中、花粉症の症状や改善について同行する医師に相談もできる。
的山大島は長崎県の西北端、平戸島からフェリーで約40 分の距離にある人口1300人の風光明媚な離島。鯨組の創業に伴い17 世紀半ばに町並みができた神浦は重要伝統建造物群保存地区に指定され、壱岐や馬渡島を望む大賀断崖なども見どころ。周囲38キロの島にはスギ林が全島面積の約1%しかない。スギ花粉がかなり少ないことが判明し、09年度に行った長崎大学医学部耳鼻咽喉科による島内全住民を対象とした花粉症調査では、花粉症有病率が3%未満とかなり低いことがわかった。ちなみに全国平均では26.5%にも達する。
スギ花粉症避粉地モニターツアーは08年2月から毎年実施。花粉症患者を大島に招いて、花粉症が自然に改善するかどうかを確かめてきた。専門医の指導による「寛解度」チェックにより、3-4日間の滞在ながら一定の改善が認められている。的山大島のある平戸市大島村では、スギ花粉が少ない島の環境を活かして近い将来「スギ花粉避粉地宣言」を目指している。
モニターの募集は1月10日まで。定員は20人。参加費用は1万円(フェリー運賃、大島3泊4日の宿泊費・島内交通費など込み)。出発地から長崎空港までの往復交通費は自己負担になる。
問い合わせは、特定非営利活動法人文化財匠塾平戸支部(TEL0950―55―2487)まで。