わざわざ乗りにきてくれる鉄道 JR四国、"癒し系"観光列車をアピール
JR四国(泉雅文社長)はこのほど、大阪市内のホテルで2014年度商品説明会を開いた。13年度から始めた「わざわざ乗りにきてくれる鉄道」への取り組み、知事がトップセールスを行った高知県と徳島県をはじめ四国各地の魅力をアピールした。
半井真司専務取締役鉄道事業本部長があいさつで、13年度の実績を報告。消費税率改定前の駆け込み需要もあり、鉄道運輸収入は対前年105%と2年連続で増加した。特に「わざわざ乗りにきてくれる鉄道」が奏功したとして、しまんトロッコや鉄道ホビートレインなど観光列車「予土線3兄弟」の好調さを紹介。「四国の観光列車は『癒し系のゆる~いもの』がキーコンセプトなので、癒しを求めている方がおられましたらぜひ四国へ」と呼びかけた。
7月26日から新たな観光列車も登場する。愛媛県の松山―伊予大洲・八幡浜間を結ぶ「伊予灘ものがたり」で、車内ではアテンダントが乗務し観光案内を行うほか、地元レストランと提携して予約制の食事を提供する予定だ。土日を中心にした定期運行のほか、貸切運転日を設け食事付きの団体予約も受け付ける。
説明会では、実際に乗務するアテンダントが「始発から終点までが物語です。暖色系を基調とした車体は見る時間、角度でいろいろなイメージの色になります。車内販売では名産のオレンジジュースを季節にあわせて提供します。ご期待ください」とPR。旅行商品として伊予灘ものがたり、予土線3兄弟の乗り比べプランを紹介した。
この日は徳島県の飯泉嘉門知事、高知県の尾﨑正直知事、松山市の野志克仁市長も参加。旅行会社へ特別プレゼンテーションを行った。
飯泉知事は自身も体験した南阿波のスキューバーダイビングについて「遠くに行かなくても徳島でマリンレジャーを」。尾﨑知事は龍馬パスポートへの取り組みや高知家の食卓県民総選挙などを紹介し「送客いただいたお客様を龍馬パスポートでリピーターにしたい」。野志市長は道後オンセナートや石手寺をアピールし「弘法大師が選んだおもてなし日本一のまちへ安心して送客ください。知恵を出し、汗をかき、挑戦していきます、どうごへどうご」と話し笑いを誘った。香川県の浜田恵三知事はビデオメッセージを寄せた。
懇親会のあいさつが会場をわかせた。口火を切った泉社長は「四国はバラバラ。各県の特産物をまとめるように四国を一つとして売っていく」。四国ツーリズム創造機構の松田清宏会長は「イベント、歴史、文化、食事みな素晴らしい。四国はすぐに回れ、2日間で満足させる」と続いた。来賓のJR西日本の柴田信取締役も「瀬戸大橋利用がエアにとられる中、予土線が全国ニュースで取り上げられる。とにかく四国へ、うちもしっかりいただきます」と応じた。