北近畿で広域観光推進 高速交通網で食と歴史の回廊づくり
舞鶴若狭自動車道の開通で京阪神、北近畿一円を環状する高速交通道路網が完成し、沿線の自治体などが広域連携をスタートさせた。「北近畿・琵琶湖 食と歴史の回廊をつくろう会」で、古代から近代へと続く豊富な歴史資産、和食のふるさととして海山の幸を提供してきた食を前面に、情報発信やツアー企画の造成などに取り組む。
広域連携は、歴史街道推進協議会(山口昌紀会長)が音頭を取り、兵庫県や京都府、福井県、滋賀県の自治体や観光事業者で設立した。同協議会の井戸智樹さんは「7月20日に舞鶴若狭道が開通し、北近畿を循環高速道が完成しました。またとない連携のチャンス。インバウンドも視野に入れています」と意義を強調。
この夏すでに、京都府の海の京都キャンペーン、福井県の海湖(うみ)と歴史の若狭路キャンペーン、兵庫県の夢但馬キャンペーンなど高速道開通を記念した誘客イベントが展開されている。名神・北陸道・舞鶴若狭道・京都縦貫道が乗り放題になるプランも設定されている。
8月1日には、つくろう会のメンバーで近畿運輸局やマスコミを表敬訪問した。
このうち近畿運輸局では、朝来市観光交流課の中島泰成さんが年間50万人が訪れる竹田城跡などを紹介し、京丹後市観光協会の清川忠夫さんは市内の6蔵をめぐる酒蔵ツーリズムについて、輪の国琵琶湖推進協議会の藤本芳一さんはビワイチと呼ばれる琵琶湖1周サイクリングの勧め、北近畿タンゴ鉄道の岡田榮さんは観光列車くろまつのスイーツ列車の乗車率が85%に達していると話した。舞鶴市観光商業課の櫻井晃人さんは来年度の「海の京都」の取り組み、福井県観光振興課の伊戸崇さんは若狭の秘仏めぐりが好評なことを伝えた。
応対した近畿運輸局企画観光部の中村広樹部長は「観光資源が豊富で魅力的な地域。広域連携に期待しています」。