やまなみ街道全通で島根県とタッグ 広島県観光連盟
広島県観光連盟は2月24日、大阪市北区の大阪第一ホテルで観光情報説明会を開き、3月22日に全通する中国横断道・尾道松江線(通称・やまなみ街道)や県内25市町の着地型旅行企画を紹介した。
説明会の冒頭あいさつで、県観光連盟の石本秀紀専務理事は「昨年8月の豪雨で予定していたイベントが実施できなかったこともありましたが、現在は観光に何の支障もありません。今年は3月22日にやまなみ街道が全通し、山陽新幹線全通40周年をはじめJR芸備線100年、呉線80年など様々な周年を迎えます。各市町が連携した取り組みを活発化します」と話した。
やまなみ街道は、広島県尾道市と島根県松江市を結ぶ137キロ。尾道―松江間の所要時間がこれまでより約80分短縮する。区間のほとんどは無料で乗り降りの自由度が高く、多様な観光コースが設定できるという。県観光連盟では、島根県と連携し沿線の観光素材を「花」「ワイナリー」「食」「道の駅」などテーマを絞って打ち出す。
例えば花は、尾道市の持光寺(あじさい寺)を起点に町内に7つある世羅町花観光農園、1年を通じて様々な花が楽しめる庄原市の国営備北丘陵公園、島根県の東三瓶フラワーバレー、松江フォーゲルパーク、由志園など沿線の花素材をつなげた。ワイナリーは、広島県のせわワイナリーと広島三次ワイナリー、島根県のワイナリー奥出雲葡萄園と島根ワイナリーが沿線に点在する。食では、尾道ラーメン、庄原そば、出雲そばなどがあり「めん街道」としてやまなみ街道をアピールする。それぞれテーマごとに日帰り、1泊2日のモデルコースを作成し、やまなみ街道を使った旅行商品化を呼びかけた。
また、個人旅行商品向けにはレンタカー助成、団体旅行にはバス代助成を実施。レンタカーは1台当たり4千円で1事業所40万円が上限、バスは1台当たり3万円で1事業所20万円を上限とする。いずれも、やまなみ街道沿線の観光施設の立ち寄りなどが条件。
着地型旅行企画に関しては25市町41素材を提案した。戦後70年にちなみ広島市の被爆電車に乗る買い取り可能な企画や、神楽と夕食をセットにしたディナーショー(北広島町)、廿日市市のもみじ饅頭手焼き体験などを用意、旅行会社へ利用を勧めた。
個別商談会では、海上自衛隊OBがガイドとして案内する呉湾の艦船めぐりにサンセットコースが新設されることや、熊野筆をテーマにした施設が4月にオープンすることなどを市町担当者がアピールした。
懇親会では、3月10日に山陽新幹線全通40周年を迎えるJR西日本営業本部の室博副本部長が、新幹線の大幅な割り引き料金を出しているとし「たくさんのお客様を広島に送りましょう」と集まった旅行会社担当者に呼びかけた。