健康、御柱祭、真田丸で躍進を 長野県、商談会と学旅説明会
長野県と信州・長野県観光協会は7月9日に旅行商品造成商談会、15日に学習旅行誘致説明会を大阪市内で開いた。
商談会では、2011年に男女とも平均寿命で全国一になったことを生かした「健康」を絡めた観光素材を紹介したほか、16年に迎える諏訪大社御柱祭、飯田お練りまつり、大河ドラマ「真田丸」をアピールした。
健康がテーマの素材としては全国で60あるうち県内で10を数える森林セラピー基地・セラピーロード。北陸新幹線飯山駅を中心とした北信濃エリア、往復2.2キロの森林鉄道を体験乗車できる木曽路エリアの赤沢自然休養林などを紹介した。
諏訪大社の7年に一度の大祭「御柱祭」は来年4月2日から6月15日に行われる。クライマックスの木落しは上社が4月3―4日、下社が4月8―10日。上社では木落しを間近で観覧できる有料観覧席の販売方法などがすでに決まっている。茅野市の上川河川敷に1700席を設置。1柱単位で席を入れ替える。10月中旬から旅行会社の申し込みを受け付ける。平均斜度35度の木落し坂での迫力を体感できる下社の有料観覧席については現在調整中で、パブリックビューイングを設けることなどが決まっているという。下諏訪町木遣保存会の小松直人会長と小口典久事務局長は木遣唄「よいさ、よいさ」の掛け声とともに来訪を呼びかけていた。
「真田丸」の舞台、上田市では上田城跡公園に大河ドラマ館が設置される。来年1月17日から開館の予定で、入館料は大人600円、20人以上の団体は同480円。周辺には真田氏ゆかりの史跡が点在し、信州上田おもてなし武将隊が案内するプランや観光タクシーを利用したガイドコースが設定されている。
また、説明会では6月19日から受け付けを始めた貸切バスツアー助成制度について、現段階で1千台の申し込みがあったと報告された。地域や事業所のバランスをとりながら2千台分までの助成を予定している。
商談会では、昨年8月に岡谷蚕糸博物館がリニューアルオープンした岡谷市など各市町村が旅行会社の企画担当者に精力的にアピールしていた。
学習旅行誘致説明会には教育旅行担当者のほか大阪府下の小中学校の教諭も参加。関西から信州への修学旅行は微増傾向にあり、大阪府はグリーン期、京都や滋賀はスキー修旅が多い。信州・長野県観光協会の吉池輝樹学習旅行担当部長は、最新の情報を発信しながら関西からの誘致を強化したいと意気込んだ。
実際に信州への修学旅行を実施している寝屋川市立第一中学校の大原武史校長は「修学旅行で問われるのは、教員の発想力と生徒の自立です」とし、特に前例主義に陥らない行動力を教員が養うきっかけが修旅だという。「信州はその発想を支えるロケーションがあります」。「子どもたちの得難い体験ができるよう力を貸してください」と旅行会社、現地関係者に呼びかけた。