世界遺産など素材あふれる九州 九州観光推進機構が大阪で説明会
九州観光推進機構(高橋誠事業本部長)はこのほど、大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で「2016年度上期九州観光素材説明会・相談会」を開いた。九州各県の担当者は、集った旅行会社の企画担当者へ最新情報を伝えた。
各県担当者は一押し素材、団体などターゲット別の素材、エリアのモデルコースをプレゼンテーションした。
宮崎県は今年3月にリニューアルオープンした青島亜熱帯植物園を紹介。体験型の植物園としてメーンの大温室が建て替えられ、1年中ブーゲンビリアを楽しめる回廊やマンゴーなどの亜熱帯植物を見ることができるコーナーを設けた。女子旅として高千穂神社、荒立神社、五ヶ所ワイナリーなど高千穂エリアへの誘客を促した。
大分県は「おんせん県おおいた」をアピール。温泉数、湧出量ともに日本一を誇る温泉県であり、赤、青、白、青白、黄、緑の色付き温泉など他の温泉地にはない魅力を訴えた。16年度上期からはハモやイワガキ、豊後牛、城下カレイなど食を活用した仕掛けを実施するとした。
佐賀県は16年度が日本磁器誕生・有田焼創業400年であることを強調。世界の陶磁器文化の発信基地としての誘客に注力する。今年10月に嬉野温泉に亜熱帯の花であるブーゲンビリアのパビリオン「ブーゲンハウス嬉野」がオープンし、嬉野温泉へ行った際の立ち寄りを勧めた。
福岡県は世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」として「官営八幡製鐵所・三池炭鉱」、世界文化遺産国内推薦候補の「宗像・沖ノ島と関連遺産群」、ローカル線の途中下車の旅「平成筑豊鉄道をめぐる旅」などを紹介。八女茶で作ったスイーツが女子旅に人気であることも伝えた。
熊本県は世界遺産、世界遺産候補、世界農業遺産、世界ジオパーク、日本遺産などを「くまもと自慢遺産」としてアピール。三角西港のチャータークルーズ、ボランティアガイド、見どころをアピールした。また万田坑パフェやクレープ、西港フラッペ、﨑津集落の天草謹製杉ようかん、たこ焼き風いなり寿司などを「世界遺産グルメ」としてPR。
鹿児島県は「しま旅」として屋久島、奄美群島、甑島、種子島のエコツアーやナイトツアー、カヌーツーリングといった離島の魅力と楽しみ方を提案した。2018年に明治維新から150周年を迎えることから、日本近代化の原点を訪ねる旅や明治維新を学ぶコースを設定。利用を呼びかけた。
長崎県は世界遺産登録に認定された明治日本の産業革命遺産であるグラバー園、三菱重工長崎造船場史料館、軍艦島資料館の新たな見方を紹介した。世界遺産候補の「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」などの周遊コースの利便性もアピール。ただ世界遺産候補の教会堂を訪れる際は、内部写真の撮影禁止と事前連絡が必要であることを伝えた。加えて、日本遺産の認定を受けた壱岐・対馬・五島にスポットを当て、王都復元公園散策や古墳群散策、対馬藩主・宗家コースなどのツアー商品化を呼びかけた。
九州観光推進機構の高橋誠事業本部長は「機構が設立されて今年で10年。当初、これまでの日本にはない取り組みだと評価されたが、現在2023年までの事業計画を組んでおり、旅行会社の皆さんの商品化に尽力したい」と話していた。
九州全体には今年1―7月で対前年比107%の入り込み客数を記録。前年を若干上回って推移している。