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「伊達な」南東北で教育旅行 東京で説明会開き素材提案

16/02/10

仙台市が事務局を務める東北の2つの広域観光協議会が1月21日、東京・汐留のANAホールディングス会議室に旅行会社やメディア関係者を招き、合同で教育旅行と一般旅行の説明会を開いた。

宮城県の気仙沼市や松島町など5市町と岩手県の平泉町など3市町、山形県最上町で構成する「伊達な広域観光推進協議会」と、仙台・福島・山形三市観光・物産広域連携推進協議会の2つの協議会で、東日本大震災後の旅行者数の回復が、5年経った今でも遅れている地域が多い。教育旅行の説明会で、仙台市経済局国際経済・観光部観光交流課の小山裕行主幹は「4県にまたがるエリアだが当事務局がワンストップで対応します。防災学習をはじめとして、生徒の成長を約束する本気の修学旅行を提供します。南東北をぜひ検討してほしい」と訴えた。

伊達な広域観光推進協議会は、仙台市をはじめ伊達政宗を藩祖とする仙台藩エリアの市町で構成。宮城県を中心に岩手県南部から福島県の一部を含み、世界遺産中尊寺や日本三景の松島、松尾芭蕉がたどった奥の細道などの見どころがある。

平泉町の担当者は、「今年6月、平泉は世界文化遺産登録から5周年を迎えます。世界情勢が不安定ななか、800年前に平和の理想郷として創造された平泉の文化に触れ、平和の大切さを感じてほしい」と強調。生徒を対象にした座禅や写経体験が引率者から高い評価を得ていることを合わせて紹介した。

また、三陸エリアの担当者は、津波被害を受けた南三陸町の防災対策庁舎を2031年まで宮城県が管理することを紹介しながら、「同地域で300人規模の民泊受け入れが可能です」などと話し、防災学習と農家体験を組み込んだ教育旅行の造成を要請した。

また、仙台・福島・山形三市観光・物産広域連携推進協議会からは福島市の担当者が福島県の教育旅行の現状について、「震災前70万人だったのが、翌年は13万人まで落ち込み、2015年度も震災前の半分の35万人です」と回復していない状況を説明。そのうえで、福島市は市内の土湯温泉で進めている小水力発電や地熱バイナリ―発電などの再生エネルギーをテーマにした教育学習、山形市の担当者は蔵王のスキー修旅だけでなく、サクランボ狩りや山寺で座禅体験ができることなどを紹介していた。

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