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観光振興策奏功し勢い 松山市、入込客や道後宿泊者数増加の見込み/愛媛

16/04/05

愛媛県松山市の野志克仁市長は、このほど大阪で開いた観光商品説明会で「松山への入込客数(15年)は570万7千人、道後温泉宿泊者数も88万7086人と昨年を上回る勢い」と訴え、これまで取り組んできた実績をアピールした。

同市では12年に広島地域と松山・愛媛を周遊する新しいツーリズムを創造する「瀬戸内・松山ツーリズム推進会議」を設立。13年には国が「新ゴールデンルート」として訪日旅行の新たな柱に推奨した。ルートの主幹線である宮島―広島―呉―松山航路の「瀬戸内はいくるーず」の船内に、16年7月から瀬戸内マリンコンシェルジュ(瀬戸内マリコさん)を配置する。船内サービスや乗客の誘導・リクエスト対応、体調管理、ツアー時間の調整などを行う。

道後温泉には17年、新たな入浴施設が誕生する。建物は現在の椿湯に隣接し、1階部分は男女それぞれ50人が入浴できる浴室と露天風呂を併設する。温泉は無加温無加水の源泉掛け流し。皇室専用浴場「又神殿(ゆうしんでん)」も再現し、入浴ができるようにする計画だ。2階部分には60畳の大広間と5つの個室を設ける。外観は飛鳥時代の湯屋を再現。屋根の上には格式のある塔屋と一対の鴟尾(しび)を配するほか、複数の建物を回廊で結ぶ伽藍も備える。館内では抹茶のもてなしや施設案内を行うコンシェルジュを配する。

昨年8月に開催した「ひかりのおもてなしin松山城」は期間中2万3千人を集客し、参加者の98%が「また来たい」と回答。今年も7月1日―8月31日まで実施する。

また、道後温泉や松山城が近接するなど市内では歩き観光が楽しめることから、着物や浴衣を着てカフェや松山城をめぐる「着物・浴衣でそぞろ歩き松山」を4月から始める。グルメクーポンやお城下ちょい飲みちょい食べクーポン、道後ほろよいプランなども用意している。

貸切バスの団体客にアピールしているのが「い~よ まちぶら観光―松山を手ぶらでぶらぶら歩こう」。14時30分から15時に道後温泉の各旅館ホテルにチェックインし、荷物を置いて徒歩と電車で松山を楽しもうというプログラムもある。

17年はJRデスティネーションキャンペーン、夏目漱石・正岡子規誕生150年、坂の上の雲ミュージアム開館10年、俳句甲子園開始から20年、えひめ国体開催など節目の年。野志市長は観光活性化へさらに注力していく方針だ。

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