鉄と銀―技術大国日本の源流は島根に 県が大阪で観光説明会
島根県はこのほど、大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪で観光情報説明会を開いた。200人を超す旅行会社やマスコミ関係者を招き、現地からも100人ほどの関係者が参加。島根県観光の魅力を訴えた。
溝口善兵衛知事は「より多くのお客様に島根県にお越しいただき、島根の魅力に触れていただけるようご協力をお願いしたい」と呼びかけた。
島根県では今年4月、県内で2カ所目となる「出雲國たたら風土記」が日本遺産に登録された。説明会では、来年世界遺産登録10周年を迎える石見銀山とともに「鉄と銀のリレートーク」が行われた。
たたら風土記は、奥出雲地域で盛んだったたたら製鉄をクローズアップ。概要を説明した吉田ふるさと村の石原秀寿さんは「人が自然と共生している開発でした。砂鉄を採取した跡地は棚田としてよみがえっているなど、奥出雲地域の生活文化として脈々と受け継がれています」。雲南市でロケが行われ、来春全国公開される映画「たたら侍」は今年6月にモントリオール映画祭で最優秀映像賞を受賞した。
石見銀山については、石見銀山資料館の仲野義文さんが紹介し「技術大国・日本の源流は島根にあります。銀を通じて世界から文物が入ってきました。今も江戸時代の風情が残る石見銀山・大森集落の町並みを歩いてほしい」と話した。来年夏には石見銀山資料館、島根県立古代出雲歴史博物館で登録10周年の記念展を開催する。
出雲エリアでは、松江城の城攻めツアーや神職の案内で出雲大社を特別参拝する着地型旅行企画が人気を集めている。石見エリアでは、宿泊施設に出前公演を行う石見神楽、隠岐エリアでは海士町・隠岐神社で団体昼食の受け入れが可能になることなど、旅行会社の商品造成につながる素材を紹介した。
さらに、山陰地方では来年から運転が始まる「トワイライトエクスプレス瑞風」、2018年7―9月にはDC(デスティネーションキャンペーン)の開催も控える。懇親会であいさつしたJR西日本執行役員の室博営業本部長は「一緒に島根県観光を盛り上げていきましょう」と旅行会社と地元関係者に促した。