こんぴら歌舞伎、さらなる発展を 琴平町、観光業界トップ集い議論/香川
こんぴら歌舞伎大芝居の推進協議会顧問・相談役会がこのほど、香川県琴平町の湯元こんぴら温泉華の湯紅梅亭で開かれた。観光庁の田村明比古長官やJTBの田川博己会長ら町内外の顧問、相談役が集まり、33年間続いてきたこんぴら歌舞伎をさらに発展させようと意見交換を行った。
推進協議会会長の小野正人琴平町長は「世界に誇る伝統文化である歌舞伎をもっと世界に発信しなければならない。そのためにはインバウンドを含めた集客に力を入れたい」と話した。
こんぴら歌舞伎の復活に尽力した同協議会常任顧問の近兼孝休さん(琴平グランドホテル会長)は、こんぴら歌舞伎復活につながった歌舞伎俳優との交流や旅行商品化への経緯などを説明。こんぴら歌舞伎を次世代に引き継げるよう継続的な支援を訴えた。
JTBの田川会長は、地元の人材育成や推進体制の充実、四国全体のブランディングの中でのこんぴら歌舞伎のプロモーション戦略などの必要性を訴えた。
田村長官もこんぴら歌舞伎を守る地域の取り組みに敬意を表した上で、地域の観光資源の磨き上げなどに対して支援する考えを示した。
このほか「大きな観光資源へと育つ可能性を感じる」(日本観光振興協会・山口範雄会長)、「インバウンドの受入には金丸座などのコンテンツを生かし、交流の仕組みづくりが必要」(日本政府観光局・松山良一理事長)などと、こんぴら歌舞伎の発展への意見を交わした。
また、こんぴら歌舞伎への集客に関しては、文化継承と併せて「一般客に歌舞伎の魅力を伝える手段としてテレビなどマスコミに出ている人気歌舞伎役者の出演も視野に入れてほしい」との発言もあり、松竹の安孫子正副社長は「ぜひ、前向きに捉えて出演者を選びたい」と応じた。
会議には自民党歌舞伎振興議員連盟幹事長の高木毅衆議院議員、同事務局長の秋元司衆議院議員、ANAの新居勇子上席執行役員関西支社長、JR四国の西牧世博専務取締役、日本商工会議所の三村明夫会頭らも出席した。