新幹線敦賀延伸見据え準備を 山代温泉、内外に魅力発信訴え/石川
石川県の山代温泉観光協会(萬谷正幸会長)はこのほど、山代温泉みどりの宿萬松閣で2017年度通常総会を開いた。
萬谷会長は、北陸新幹線金沢開業から3年目を迎え「県内各地の集客に勢いがなくなってきた」としながら「山代温泉は健闘している」と強調。他エリアが前年比で10―20%ダウンしているなか、山代温泉は4%減に収まり、関西客も増加傾向であると話した。
昨年発表した中期ビジョンにも言及し、まち並みや交通インフラの整備、インバウンド・MICEへの取り組みの強化で、5年後の北陸新幹線敦賀開業までに90万人の宿泊客を目指すとした。
これを受けて同温泉旅館組合の新滝英樹理事長は「5年後の敦賀延伸は温泉地の魅力を発信することで大きな誘客ができるチャンス。これからの5年間で準備を進めたい」と話した。
総会では、16年度の外国人宿泊客が石川県全体で52万9432人(対前年比146%)、山代温泉で2万611人(同108%)であったことが報告された。白山白川郷ホワイトロード片道無料キャンペーンは総合計で6215人、そのうち加賀温泉郷は3233人だった。山代大田楽は4千人、おもしろやましろ夏まつりは1万6365人を集客した。
今年度事業は中京、関西、首都圏など大都市圏への誘客キャラバンの実施、インバウンド対策など誘客推進や観光サイン・景観維持管理、おもてなし向上、まち歩きなどまちづくりの推進に取り組む。
総会後には大東文化大学文学部中国学科の山口謠司准教授が「アイウエオ―明覚上人と日本語」を演題に講演した。山口洵教授は、山代温泉の中心地にある薬王院温泉寺の中興の祖である明覚上人が「あいうえお」の五十音の創始者としても知られており、いかに偉大な存在であるかを紹介した。多くの参加者が聞き入っていた。
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また、同協会では大阪市内で、旅行会社の企画担当者50人を招き観光情報説明会を開いた。
説明会では、温泉街の中心地に共同浴場「総湯」「古総湯」があり周囲のまち並みを「湯の曲輪(がわ)」と呼ぶことを紹介したほか、九谷焼再興の地である同温泉の魅力を伝えた。このあと現地から参加した旅館ホテルが自施設の特徴などをアピールし「1人でも多くの送客を」と訴えた。
萬谷会長は「北陸新幹線効果で首都圏のお客様が増えて3倍になり、関西客との人数が逆転した。しかし関西客が減ったわけではなく、予約が早い首都圏からの押さえが早く、受けられなかったからだ」と語った。
参加者は「山代温泉を知らない若い社員もいるので、いい機会になった」「知らないことも多く勉強になった」と評価していた。
同協会の一行は大阪市内旅行会社の営業本部や団体支店なども訪問し、意見交換を行った。
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