カイロ直行便が運航再開 エジプト観光局、「治安は安定」3都市で送客促す
エジプト政府観光局は9月26―28日、名古屋、大阪、東京の3都市で観光情報セミナーを開いた。10月29日のカイロ―成田直行便の運航再開に合わせ、現地の現況や観光プランなど最新の情報を、出席した旅行会社に紹介した。
同局では先ごろのツーリズムEXPOジャパンにブースを出展、同国観光副大臣も出席するなど直行便が4年ぶりに運航再開されるのを機に、日本マーケットへのアピールを本格化させている。今回のセミナーもその一環で、旅行商品造成、送客を促し、さらなる交流を深めようという考え。
27日に大阪市北区のザ・リッツ・カールトン大阪で開いた大阪会場。イスマイル・アメール同局担当参事官はあいさつで「セミナーの参加者が昨年より多く、エジプトへの興味、販売意欲の高まりを感じる。今回を機に商品造成に取り組んでほしい」と呼びかけた。
来賓の日本旅行業協会関西支部の角倉洋介事務局長は、2016年に日本からエジプトへの渡航者は約1万9千人で、政情不安で落ち込んだ後の14年から回復を続けていると報告。その上で「成田線の復活、チャーター便の運航計画もあり、期待は大きい。世界屈指の素材の宝庫であるエジプトは日本にとって重要なデスティネーション。観光交流へできる限り協力したい」と話した。
同局によるエジプト観光の現状紹介で一番に報告したのは、旅行会社、旅行者にとってまず注目する安全面。11年の政治革命による政情不安や治安悪化は日本からの旅行者を激減させたが、14年から良化を続け、「完全に安定」(イスマイル参事官)。主要観光地にはセキュリティカメラを配し、空港の安全体制を強化するなど最新の対策をとり、日本外務省の危険情報で一番下の「レベル1」が増えてきている。日本からの渡航者は17年上半期が1万7千人で、年間累計で前年超えは確実になるなど、デスティネーションとしての存在感の高まりは明らかだ。
観光素材としては、ピラミッドなど歴史遺産、アフリカ大陸固有の文化、ゴルフやダイビングなどのアクティビティ、ビーチリゾートなど多角度からアピール。なかでもウエディングは「スフィンクスの前で永遠の愛を誓う」など貴重なシーンを提供し、利用を勧めている。そのほか、ヨーロッパへの乗り継ぎ地として延泊利用も提案。カイロからピラミッド、美術館や旧市街へ出歩く旅を紹介した。
現地関係者から、直行便を運航させるエジプト航空や旅行会社もプレゼンに参加。その後、出席した旅行会社との商談会が行われ、熱心に情報交換していた。
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