好調四国観光勢い加速 JR四国、大阪で商品説明会
JR四国(半井真司社長)は5月30日、大阪市北区のホテルで商品説明会を開いた。半井社長が2年後を目途に、観光列車「ものがたりシリーズ」3本目の運行を計画していると発表したほか高知県の尾﨑正直知事、松山市の野志克仁市長がトップセールス。関西地区の旅行会社など約90人に四国の観光情報や魅力を伝えた。
JR四国では現在、2本の「ものがたりシリーズ」を運行。昨年4月から運行している「四国まんなか千年ものがたり」(土讃線・多度津、琴平―大歩危)は平均乗車率が90%を超え平日の団体利用も好調だという。まもなく運行4周年を迎える「伊予灘ものがたり」(予讃線・松山―伊予大洲・八幡浜)は延べ乗客数が8万人を超えている。
3本目の「ものがたり」については今後、走行路線やデザインなど決まり次第明らかにされるが、説明会後の意見交換会で半井社長は「ご期待ください」と話していた。
高知県は昨年、観光入込客数が過去最高の440万人に達した。そのうち約半数の200万人超は「志国高知 幕末維新博」が目的だった。尾﨑知事は「現在、幕末維新博の第2幕を開催しています。メーン会場の高知城歴史博物館には、これまで23万8千人が訪れ、年間目標12万人をわずか5カ月で達成しました。絶好調です」と報告した。
松山市の野志市長も、観光客数が18年ぶりに600万人を超え過去最高だったこと、道後温泉の本館改修工事については営業しながらの工事で入浴可能であることなどを伝え「道後へどうご!」と呼びかけた。
徳島県は、今春リニューアルした大鳴門橋架橋記念館「エディ」に導入した360度4Kシアターなど、体験型のコンテンツを積極的に提案。秋の阿波おどりも映像でPRした。香川県は瀬戸大橋開通30周年やオリーブ稙栽110周年のイベント情報のほか、19年開催の瀬戸内国際芸術祭など紹介。愛媛県は19年4月20日に開幕する「えひめさんさん物語」で日本唯一、日本初のイベントを計画していると期待を持たせた。
JR四国の鉄道収入については2017年度、四国DCの開催や志国高知幕末維新博、インバウンド効果により前年比1.5%増だった。今年度も4月の直近値では、DC開催の反動があったものの順調に推移している。
西牧世博鉄道事業本部長は「現在、瀬戸大橋開通30周年に関係した事業を展開しており、本州と四国の利用拡大に努めます」と話した。
それに呼応する形で、来賓としてあいさつしたJR西日本の水田雅博営業本部担当部長も「山陽新幹線を軸に本州と四国を挟んだ瀬戸内エリアを結ぶルートの開発も鉄道会社として使命だと考えています。瀬戸大橋、しまなみ海道のほか、クルーズなども鉄道とセットで販売して盛り上げていきたい」とした。
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