着地型旅行の開発推進 長野県、大阪で商談会開き次年度施策示す
長野県はこのほど、大阪市北区の大阪第一ホテルに在阪の旅行会社を招き旅行商品造成商談会を、メディア向けには観光情報交換会を開いた。現地各市町村から観光関係者が参加し、旬のトピックを紹介。来年春―夏に向けての送客、情報発信を呼びかけた。
旅行商品造成商談会には現地から約40市町村の86人、旅行会社から60人が出席。長野県観光機構の内田孝雄常務理事はあいさつで、「7―9月にアフターデスティネーションキャンペーン(DC)を開き、猛暑の中、高原や観光地、JR利用はいずれも好調だった」と現状を報告。その上で「今日は県の来年に向けた観光素材を紹介、“山の信州”の魅力を知っていただき、送客につなげてほしい」とアピールした。
全体説明では、県が展開する観光振興施策や開催を控えるイベント、旬の話題を紹介。
県では2017年7―9月のDCで見えた課題を踏まえ、県全体で着地型旅行商品の開発を推進することを施策の柱に据える。今夏には商品開発・販売促進セミナー、9―11月にはワークショップを開くなどして県内DMOや観光協会、観光事業者へ商品開発への地力をつけてもらう企画を展開している。この日は伝統産業や食文化をテーマとした滞在交流型の体験企画を実施している茅野市のちの観光まちづくり推進機構の事例を紹介した。
また、もうひとつの強化施策としてユニバーサルツーリズムも挙げる。高齢者や障がい者だけでなく健常者も交えたグループ全員で楽しめる「信州版ユニバーサルツーリズム」を、今ある観光素材を生かして提案する試みだ。サポートや、車いすなどアウトドア用器具のレンタルを充実させ、現在6地域でキャンプや高原散策などのモデルコースを設定している。
長野県の19年のビッグイベントは、「信州花フェスタ」。松本・大町・塩尻・安曇野各市を舞台として、松本平広域公園をメーン会場に4月25日―6月16日、展示やイベントで花と緑あふれる北アルプス山麓の魅力を伝える。
そのほか、県農政部が推進する「信州の農業資産を巡る旅」や、白馬バレーで実施している「天空の天体ショー」、このほどオープンした白馬岩岳マウンテンハーバー、栂池高原のエクストリームアドベンチャーなども紹介した。
商談会では、各市町村ごとに設けたブースで情報交換。地元のアピールに参加した旅行会社は熱心に耳を傾け、商品化に向けた相談を重ねていた。
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