TRY九州2019展開 九州観光推進機構、国内客増へ旅行会社向けCP
九州観光推進機構は4月25日、東京・大手町サンケイプラザで2019年度下期九州観光素材説明会・相談会を開いた。同機構の渡邉太志専務理事が九州全体の観光入込状況や今年の見通し、主に旅行会社を対象にした新たな観光キャンペーン「TRY九州2019」について説明したのに続き、九州7県から担当者が各県の観光トピックスなどについて紹介した。
九州域内の観光消費額は15年の2兆5600億円から、16年は熊本地震の影響で2兆3800億円へと7%落ち込んだ。ただ、17年は九州北部豪雨災害が発生したにもかかわらず、九州ふっこう割などの地域支援策で、域内の観光消費額は過去最高の2兆7千億円へとV字回復。18年は速報値で前年を下回ったものの、2兆5700億円と熊本地震前の15年を上回り、過去2番目の観光消費額を記録している。
渡邉専務理事は、こうした推移を説明した上で「訪日旅行者全体の約6分の1にあたる、500万人が九州を訪れていますが、彼らの旅行消費単価は下がっています。宿泊客の85%は日本人旅行者ですから、ここをキッチリと増やしたい」と話し、「TRY九州2019」の成功に協力を求めた。
一方、訪日客の拡大策については「現状はアジアからの来訪が97%を占めており、アジア外での九州の知名度アップが課題です。今年はラグビー・ワールドカップがあり、全48ゲーム中10ゲームが九州で行われ、ラグビーが人気の欧米豪から6万人の九州訪問が見込まれています。試合観戦だけでなく観光をしてもらい、SNSで発信してほしい」と、期待を示した。
4月19日から始まったTRY九州キャンペーンでは、7県の観光事業者や観光機関が着地旅行プランをつくり、旅行会社に提供する。手配、在庫管理、精算業務などを一括管理するプラットフォームも用意し、旅行会社がエンドユーザーに販売しやすい環境を提供する。すでに18年度に41の着地プランを設定済みで、19年度は合計で100プランの提供を目指している。TRY九州キャンペーンは20年3月31日まで行う。
各県からは、長崎県が2つの世界遺産「明治日本の産業革命遺産」と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」や軍艦島観光、熊本県が10月5日から開始する熊本城の一部公開を紹介したほか、鹿児島県が甲冑生産の国内シェア90%を占める薩摩川内市の甲冑工房を組み込んだ旅行商品の造成などを訴えた。
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