ワイン県やまなし 東京でマリアージュの試食・試飲会
県産ワインと県産食材の魅力を知ってもらい、「ワイン県やまなし」をアピールしようと、山梨県は2月1日、東京のレストランで「ワイン県・新マリアージュのススメ」イベントを行った。
会場は、昨年ワイン県副知事に就任したソムリエの田崎真也さんがレシピ監修を行っている日本橋のワインレストラン「Y-wine(わいわい)」。山梨県の長崎幸太郎知事、山梨県出身でワイン県副知事の作家林真理子さん、田崎さんが、ワインと料理をふるまいながら、山梨県産ワインと食の魅力について語った。
県産のオリジナル養殖魚、ほうとう、鹿肉などをアレンジ
今回出されたのは、4種類の県産ワインと食材を、田崎さんが監修したマリアージュ。まず1つ目のマリアージュは、「富士の介のマリネ 自家製リコッタチーズ風」に、フジッコワイナリー甲州スパークリング2018の組み合わせ。
「富士の介」は、キングサーモンとトラウトを掛け合わせた県産の魚。県産の牛乳を使用し、リコッタチーズ風に仕上げ、グレープフルーツジュレ、県産岩魚のいくらを添えた。スパークリングワインの中に感じるグレープフルーツのような香りで、料理とワインの相性が良くなる。海のない山梨県で魚の美味しさを追求したマリアージュだった。
次のマリアージュは、「ほうとうのエッセンスを感じるフェットチーネ」に、シャトーメルシャン岩出甲州きいろ香キュベ・ウエノ2018のカップリング。
甲州ブドウは、灰色系ブドウというカテゴリーになり、後味が枯れ葉のような風味で和食の出汁によくあう。フェットチーネには、カボチャを混ぜ、ソースには味噌とチーズを混ぜた。このソースがワインの枯れ葉のような後味と合う。
3品目からは赤ワインとの組み合わせ。「鹿肉のミートボール マスカット・ベーリーAとカシス風味」と、白百合醸造ロリアンセラーマスター・マスカット・ベーリーA 2018。
フレンチレストランなどで提供される鹿肉はロース肉であるが、今回は、切り落とし肉などをミートボールにし、鹿肉の鉄臭さと相性の良いカシスを使ったソースで仕上げている。
ワインはこのカシスのソースと相性のよいマスカット・ベーリーAから作られたもので、鹿肉の体内を流れる血液だったのではないかと思うほどの一体感を感じた。
最後の一品は「甲州ワインビーフのロースト ふき味噌風味ソース」と、サッポロワイナリー・グランポレール山梨甲斐ノワール特別仕込み2016。
甲州ワインビーフは、ワインの搾りかすを乾燥させ粉末にしたものを餌として与えて育てた牛肉。県産のふきを使ったふき味噌は、グリーンペッパーのような風味を持つ甲斐ノワールとよく合う。いつまでも食べ続け、飲み続けていたい心地よいマリアージュだった。
和食ブームもあり評価高まる甲州ワイン
甲州ワインは個性がはっきりしないと、世界的には高評価が得られなかったが、昨今の和食ブームもあり、甲州ワインに対する理解も深まり、2018年には、インターナショナルワインチャレンジで金賞を受賞している。
「日本には、ワインを選ぶ時に料理のペアリングを考える習慣がない。しかし、日本ワインは優しく上品な味。料理がおいしくなるマリアージュを考え、ワインをソースのような感覚で楽しんで」と田崎さんは言う。
また、ワイン愛飲家の林さんは、「茶道や華道のようにワイン道とでも言えるようなたしなみ方でワインを楽しむ女性が非常に多い」と語る。
海外の女性はワインのセレクトはお店のスタッフか、一緒にいる男性に任せることが多い一方、日本の女性はワインの事もよく勉強しており、知識が豊富だとの感想を述べた。
長崎知事は、山梨の食文化を世界に発信していくことに意欲を示していた。
「カルフォルニア・キュイジーヌがアメリカとアジアの料理を融合させたように、山梨も中華料理や、ベトナム料理との融合、また県産ワインや食材を利用し、新しい食文化を築き山梨から発信していきたい」と。
山梨県は、全国で初めて日本ワインを製造してから150年目を迎えた2019年、「ワイン県」を宣言している。ワインの国内生産量の3割以上のシェアを占める山梨県。日本ワイン発祥の地で、世界市場を見据えた新たなプロジェクトが始まっている。
文・写真 島岡直子
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