Go To 東京:最西部、苦い日原鍾乳洞と奥多摩湖ドラム缶橋
気分が冴えない、お盆の少し前。東京の最西部、山梨県と接する奥多摩町の日原鍾乳洞に行こうとした。奥多摩町はこれまでコロナウイルス感染者の確認がゼロ。それでも奥多摩町民もGo To トラベルから除外されている。
新宿区内を午後12時半ころに出て、下道で奥多摩駅あたりについたのが3時半ごろ。距離は70キロくらい。どこかが特別ひどく渋滞していたという訳じゃないけど、都心は信号も多く、昔のCDの短い曲の1曲分も続けて走れない。信号で停まっている時間の方が長く感じる。
それでも青梅市あたりからは緑も濃く、景色は山がちになり、時々多摩川も望めて、来てよかったと思う。
ところが奥多摩駅あたりからの渋滞がひどかった。昔から何度も来ていて知っていたんだ。休日の日原街道は渋滞がひどいって。久しぶりで油断していた。
昨年の台風19号で日原街道の一部が崩落して、一部エリアがしばらく孤立していた。今年5月に片側通行で復旧していて、そんなことも久しぶりに日原鍾乳洞に行こうかと思った理由だった。崩落個所を過ぎて、車はさらに動かなくなって、確か最終入場時間の4時半に間に合うか怪しくなってきた。狭い道で後ろの車がUターンして引き返していった。
日原集落手前の長いトンネルで、いよいよ車は動かない。車中から日原鍾乳洞に電話すると、同じトンネル内からひっきりなしに電話がかかっているそう。どのくらいで着くか見通せず、仕方なくUターンした。1台後ろの車がUターンしてから30分は経っていただろうか。
後部座席には、あまり乗り気ではなかった小中学生の子ども2人を乗せていて、これでは申し訳が立たない。「苦い思い出シリーズがまた増えたね」とニヤリとされるけど、イライラしている様子はない。
「大丈夫、プランBがあるから」と奥多摩湖に向かう。もともと日原鍾乳洞と奥多摩湖の両方に行くつもりでプランBじゃなくて、プランAの2分の1プランなんだけど。
多摩に長く住んでいたから奥多摩湖にはよく来た。用もなく車で走った。久しぶりの奥多摩湖はとてもよかった。小河内ダムの突堤を歩き、下をのぞき込んだ。道路から離れた山の斜面に家が何軒も立っているのを眺めたりした。
その日の新宿区は気温が34℃くらいだった。奥多摩湖は車載温度計で29℃だった。もう夕方だったからかもしれない。
滞在時間は30分ほどでさらに車で上流に向かう。奥多摩湖の両岸が狭いところにドラム缶橋があって、それを渡るのが楽しいんじゃないかと思っていた。ところがドラム缶橋は通行止めだった。湖岸に降りる階段は封鎖されていた。
希望は断たれたかに思えたとき、近くの住民だろうか、「この先4キロばかりのところに、もう1つドラム缶橋があるよ」と教えられた。
奥多摩湖にドラム缶橋が2本あるのは知らなかった。お礼を告げて、もう1つのドラム缶橋を目指した。こちらは車の駐車もしやすかった。湖畔でピクニックしている人や、ドラム缶橋で釣りをしている人たちがいた。釣りは禁止のサインボードがあった。
ドラム缶橋は歩くとつなぎ目が上下に揺れて面白かった。対岸まで渡って、また戻った。たったこれだけをしに、5時間かけて来た価値はあったのか。十分にあったと思っている。
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