京都・丹波エリアで「御城印」めぐりが人気/森の京都DMOが展開
京都府中部の丹波エリアで城、城跡めぐりが静かなブームを呼んでいる。森の京都地域振興社(森の京都DMO)がエリアに点在する城、城跡の「御城印」を地域住民らとともに作成。中には数カ月間で1万枚の御城印を発行している城もある人気ぶりだ。
御城印は綾部市や福知山市、亀岡市など5市町にある15の城と京都市内の周山城跡の計16種類を発行している。エリアには戦国武将・明智光秀が築いた福知山城(福知山市)や、光秀が本能寺へ出陣した丹波亀山城跡(亀岡市)をはじめ、丹波国三大城郭の一つ八木城跡(南丹市)、光秀の丹波侵攻に抵抗した上林城址(綾部市)、石垣や堀切などの遺構が良好に保存されている須知城跡(京丹波町)など個性に富んだ城と城跡がある。
もともと御城印は、大河ドラマ「麒麟がくる」の放送決定がきっかけ。放送開始の1年半前の2019年8月ごろから、森の京都DMOがドラマの効果を一過性に終わらせないよう、光秀にゆかりのある城址が点在する地域に働きかけた。その上で、森の京都DMOでは全国の城のポータルサイト「攻城団」と提携。城めぐりの愛好家やお城マニアへ訴求するよう仕掛けた。
森の京都DMO地域開発部の福田誠さんは「地域の方が城跡を必死に守り、地元の誇りと感じていることがわかりました。観光客はもちろん、地域の人にも再確認していただくきっかけが御城印の取り組みです。その結果、地域活性化に役立てられれば」と話す。亀岡市の余部丸岡城跡の御城印は、城跡が境内の一部になっている西岸寺の住職が手書きで発行、1日30枚が限界で、そんなレアなところも人気を得ている要因の一つという。
御城印は各市町の観光協会や城近くの商店などで、1枚300円で購入できる。集めた御城印を収められるオリジナルバインダーも各城ゆかりの武将の家紋をデザインし1800円で販売している。
今年は、DMOの設立5周年を迎えることから、地元産の和紙を使った御城印や御城印帳など5周年記念セットも販売予定。福田さんは「ハイキングやトレッキングコースとして御城印めぐりの商品化を旅行会社にもアピールしていきたいですね」と話している。
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