群馬・サイクルトレインツアーに参加した② 初めての電車の運転に興奮
1月15、16日の2日間、群馬県で1泊2日の行程の「電車運転・車掌体験と大胡車庫見学 新型自転車走行体験と初詣 白井屋ホテル宿泊 1泊2日の旅」という長いタイトルと内容盛りだくさんのモニターツアーが行われた。
今回のモニターツアー中レンタサイクルで訪れた観光スポットは、上毛電鉄の中央前橋駅付近の群馬県庁を含む数カ所、大胡駅での電車の運転体験、赤城駅付近の醤油蔵、西桐生駅付近の桐生の古い街並みや織物記念館など。そのほか沿線には古墳群、寺社仏閣、観光農園など各人の趣味趣向や体力に応じて選択できる観光スポットがいくつもあった。
前回書いた通り、上毛電鉄では朝の通勤通学の時間帯以外、電車に自転車をそのまま載せられるサイクルトレインを運行している。今回も何度か電車に乗って移動し、自転車に乗って観光し、そしてまた電車に乗ったりしたが、ふと何十年か前に初めてロンドンに旅行した時に乗ったHop-On-Hop-Off Busを思い出した。
今では東京も含め世界中に同様のシステムの観光バスがあるが、チケットを持っていたら何度でも周回している観光バスに乗り(Hop-On)降り(Hop-Off)して良いという仕組みの観光バス。Hopというのがふらりと飛び乗り、飛び降りする感じを出していて、予約なしで乗れる上毛電鉄のサイクルトレインもそんな気軽さを感じた。
ツアーに参加する前は、絹織物の工場跡がおしゃれなカフェやギャラリーになっている桐生の街並み散策を楽しみにしていたが、それ以上に上毛電鉄大胡駅に隣接する大胡車庫内で体験した電車の運転・車掌体験が楽しかった。鉄道に興味はないけど、まあ滅多にできる体験ではないし、鉄道オタクの甥っ子に自慢できるからまあ良いかなというくらいの期待で参加したのだが。
まずは、車両の中に長机を設置した講習ルームで昼食をはさみ運転の理論に関する座学。電車が動く原理やハンドル、ブレーキの説明を受ける。そのあと「Jomo シミュレーター体験」という鉄道の運転模擬練習を行う箱へ移動。ここでモニターに映し出される画像を見ながら電車を発車させたり、駅の決められた位置で停車させたりの練習。ここまでは想像の範囲内で、以前甥っ子と一緒に行った東京・葛西の地下鉄博物館でも見たことがあった。
その後シミュレーター練習が終わった人から順番に実際の電車へ移動。運転手と車掌のユニフォームと帽子を装着すると、少し気分があがり、コスプレする人の気持ちが初めてほんの少しわかった。教官の先生に言われるがまま、ブレーキを緩め、左手のハンドルを1ノッチ動かすとガタンと電車が動き出す。
「おおっ」当たり前ではあるが、自分の操作で電車が動くのはなかなか感動的。ぼーっと興奮しているとすぐに教官から「ブレーキ」の声が。定められた「停」の字ぴったりに停めるのはなかなか難しくブレーキを込めたり(強めたり)、払ったり(弱めたり)しながら何とか停止。急ブレーキになってしまった様で、後ろの車両に乗っている人から「きゃあ」と声がした。約150メートルの距離を2往復。あっと言う間の体験だったが、これから電車に乗るたびにブレーキのかかり方とか気になってしまいそう。
今回は時間の関係で短縮版の体験だったが、通常は丸一日を要するイベントで次回は1月29日、次々回は2月26日に予定されていて、いずれもすでに満員御礼。ここでしか食べられない車庫弁当がついて参加費は1人9000円。上毛電鉄の古澤社長によれば70回以上参加しているリピーターもいるそう。
運転士・車掌体験をする大胡電車庫は上毛電鉄開業時からの歴史ある建物で、登録有形文化財になっている。車庫見学も含めレトロで特別な体験だった。(つづく)
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