飯田市 「リニアまちづくり東京懇談会」開く、在京出身者が参加
リニア中央新幹線開業を見据え、1月23日、「第一回 飯田市リニアまちづくり東京懇談会」が東京・市ヶ谷で開かれた。佐藤健飯田市長を始め長野県飯田市出身で現在は首都圏で活躍する大手企業の役員、専門職、ベンチャー企業代表などが出席した。
リニア中央新幹線は昨年5月に難関のトンネルが貫通し、長野県側での工事が完了した。2027年以降の開業が予定されているリニア中央新幹線に加えて、工事が進んでいる三遠南信自動車道(三河、遠州、南信州)の完成により飯田市から首都圏、中京圏へのアクセスは様変わりする。
特にリニア新幹線により、現在東京都心から約4時間の所要時間が45分と大幅に短縮されることで、地元の期待は高い。
任期3年目の佐藤市長は、「これまでの任期中、どうしてもコロナ対策が中心とならざるを得なかった。ようやくリニア時代に向けて前向きな新しい取り組みができる。飯田市がどう変わるべきかについて、東京にいる皆さんからご意見をいただきたい」と東京懇談会の趣旨を説明した。
また、「リニアの駅は現在の飯田市の中心からは離れた場所を建設予定地としているが、市の中心地を移すという考えはない。東京のコピーではなく大学や研究機関を誘致することを考えている。リニア駅では信州らしさ、森のイメージを大切にし、上質なローカルを表現したい」と語った。
意見交換会では三菱UFJアセットマネジメント常務の代田秀雄氏が、飯田の魅力を世界へ発信する玄関口となるべく、観光資源や地域特性を活用することを提言し、「癒しの森」や「焼肉と長野ワイン」事業などの可能性を指摘した。
また、他の出席者からは「新しい働き方の中で従業員のメンタルケアができるプログラムにはニーズがある」「インバウンド向けには、地元の祭りや自然を祀る神々などの文化的魅力も十分アピールできるのでは」などの意見が出た。
一方で、リニアや新しい高速道路で首都圏から日帰り圏内になることで、「観光やビジネスの需要が吸い取られてしまう逆ストロー現象についても十分考えておく必要がある」との声も聞かれた。
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