新客船ターミナル完成 大阪港天保山、大型クルーズ船の対応強化
大阪港に新たな「天保山客船ターミナル」が完成し5月5日、オープニングセレモニーが開かれた。
新ターミナルは3階建てで、延べ床面積が約5780平方メートル。入国審査場のスペースを従来より拡張するなど、以前の倍近い広さになった。エスカレーターやスロープも新たに設置した。
セレモニーであいさつした大阪市の横山英幸市長は「大阪・関西万博の開催を控え、クルーズ船を呼び込むことで大阪に訪れる観光客を増やし、経済の活性化を目指したい。そのためにも新ターミナルは世界から多くの人たちを呼び込む大阪のまちづくりの顔として位置づけたい」。
大阪府の吉村洋文知事は「大型クルーズ客船の母港化、天保山を世界の海とつながる玄関口になるようにしたい」と、今後の目標として寄港地から母港地へ発展させたい考えを示した。
また、来賓として出席した日本外航客船協会の遠藤弘之会長は「新ターミナルは大型客船の寄港に対応できる広さとユニバールデザインに配慮した施設で、海の玄関口にふさわしい」。日本国際クルーズ協議会の堀川悟会長は「世界では大型のクルーズ客船の建造が増えており、日本への配船を増やす動きがあるなか、今回のターミナルの完成は非常にタイムリーです。多くの外航客船の寄港を期待しています」とエールを送った。
このあと大阪公立大学の池田良穂名誉教授が基調講演を行い「クルーズといえば優雅で豪華、料金も高く長期間の休みが必要というイメージがありますが、今は料金が安く年収300万円代の層が年に何回も利用できるクルーズにシフトしています」と述べ、料金を安くするには6千人を収容できる大型客船が必要で「そのためには大型客船が寄港できるターミナルが必要になってきます。さらに母港化することによる経済効果は計り知れない」と話した。
天保山客船ターミナルには今年、過去最多の70隻以上の客船が訪れる見込みになっている。
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