誰もが楽しめる観光地に―城崎温泉・湯村温泉・丹波篠山市/兵庫県がモデル地区に選定
誰もが自由に“面”として旅行できる環境づくりを促す目的で兵庫県はこのほど、豊岡市の城崎温泉地区・新温泉町の湯村温泉地区・丹波篠山市全域の3地区をモデル事業推進エリアに選定した。3地区のユニバーサルデザイン化を支援し、高齢者や障がい者らがエリア内の「行きたいところ」に移動し楽しめる回遊性を高める。
兵庫県では、2023年度に全国で初めてとなる「高齢者、障害者等が円滑に旅行することができる環境の整備に関する条例(通称:ユニバーサルツーリズム推進条例)」を制定。24年度事業として、行政や観光事業者などで構成する協議会を対象に、障がいの有無や年齢を問わず誰をも受け入れるユニバーサルツーリズムの推進エリアの形成計画を公募していた。
豊岡市の城崎温泉地区は「『外湯めぐり』と『そぞろ歩き』のユニバーサル化」とし、温泉街に点在する外湯のエントランスや足湯のバリアフリー化改修、視覚障がい者が触って認識することができるシャンプーボトルの導入などを計画。JR城崎温泉駅と旅館を結ぶ福祉車両による循環バスの導入・運行、ユニバーサルツーリズム相談窓口の開設などにも取り組んでいく。
新温泉町の湯村温泉地区は「すべての人に優しいユニバーサルな足湯・湯がき等の整備」とし、名所の「荒湯」に車いすで安全に湯がき体験ができるユニバーサル湯壺の設置、足湯のユニバーサルデザイン化などの整備を行う。筆談タブレットや車いすけん引装置を備えるほか、ユニバーサルツーリズム研修も実施する。
丹波篠山市は「観光案内所等のユニバーサル化とおもてなしの心の醸成」とし、まち歩きのユニバーサルツーリズム化を推進。多言語・ピクトグラム化したユニバーサル案内看板を設置するほか、公衆トイレの洋式化やオストメイト・ベビーシートを設置する改修、自動ブレーキ付き車いす・電動カートの導入なども計画。おもてなし研修や車いす乗車体験会も開催する。
兵庫県では3地区に対して事業推進費の2分の1、一地区あたり最大で年間1600万円を最大2年間にわたり補助。ユニバーサルマップや専用のホームページ作成といった情報発信などソフト面の充実も求めており「ひょうごユニバーサルな観光地」を国内外にアピールしていく考えだ。
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