楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

誰もが楽しめる観光地に―城崎温泉・湯村温泉・丹波篠山市/兵庫県がモデル地区に選定

24/09/11

誰もが自由に“面”として旅行できる環境づくりを促す目的で兵庫県はこのほど、豊岡市の城崎温泉地区・新温泉町の湯村温泉地区・丹波篠山市全域の3地区をモデル事業推進エリアに選定した。3地区のユニバーサルデザイン化を支援し、高齢者や障がい者らがエリア内の「行きたいところ」に移動し楽しめる回遊性を高める。

兵庫県では、2023年度に全国で初めてとなる「高齢者、障害者等が円滑に旅行することができる環境の整備に関する条例(通称:ユニバーサルツーリズム推進条例)」を制定。24年度事業として、行政や観光事業者などで構成する協議会を対象に、障がいの有無や年齢を問わず誰をも受け入れるユニバーサルツーリズムの推進エリアの形成計画を公募していた。

豊岡市の城崎温泉地区は「『外湯めぐり』と『そぞろ歩き』のユニバーサル化」とし、温泉街に点在する外湯のエントランスや足湯のバリアフリー化改修、視覚障がい者が触って認識することができるシャンプーボトルの導入などを計画。JR城崎温泉駅と旅館を結ぶ福祉車両による循環バスの導入・運行、ユニバーサルツーリズム相談窓口の開設などにも取り組んでいく。

新温泉町の湯村温泉地区は「すべての人に優しいユニバーサルな足湯・湯がき等の整備」とし、名所の「荒湯」に車いすで安全に湯がき体験ができるユニバーサル湯壺の設置、足湯のユニバーサルデザイン化などの整備を行う。筆談タブレットや車いすけん引装置を備えるほか、ユニバーサルツーリズム研修も実施する。

荒湯

新温泉町湯村温泉の「荒湯」

丹波篠山市は「観光案内所等のユニバーサル化とおもてなしの心の醸成」とし、まち歩きのユニバーサルツーリズム化を推進。多言語・ピクトグラム化したユニバーサル案内看板を設置するほか、公衆トイレの洋式化やオストメイト・ベビーシートを設置する改修、自動ブレーキ付き車いす・電動カートの導入なども計画。おもてなし研修や車いす乗車体験会も開催する。

兵庫県では3地区に対して事業推進費の2分の1、一地区あたり最大で年間1600万円を最大2年間にわたり補助。ユニバーサルマップや専用のホームページ作成といった情報発信などソフト面の充実も求めており「ひょうごユニバーサルな観光地」を国内外にアピールしていく考えだ。

この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
新・観光スタイル打ち出す三重伊勢志摩

伊勢神宮をはじめ、数多くの観光スポットが点在する伊勢志摩。秋の本格的な観光シーズンを控え、...

「天領」大分日田・天ヶ瀬で温故知新の旅

4―6月に展開されていた「福岡・大分デスティネーションキャンペーン(DC)」は地域に“あた...

観光先進地・岐阜下呂が贈る心にしみる旅

持続可能―。地域の維持、そして未来への発展に向け各地で取り組みが進むが、岐阜県下呂市が展開...

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ